2008年11月23日日曜日

幼稚園で手紙が流行っている

長女の幼稚園友達の間で手紙が流行っているようです.手紙といっても手渡しなので,幼稚園バックやポケットに入れて幼稚園に行き,直接手渡しします.

「手紙流行り」は,字や絵がかけるようになった長女がうれしくなり,幼稚園の担任の先生やお友達に手紙を出し始めたのがきっかけのようです.私の母が筆まめなため,我が家は電子メールじゃなく(最近,電子メールって言わなくなりましたね),手書きの手紙を出したり受け取ったりすることが比較的多い家なので,長女も手紙を出すのが当然のように思ったのでしょうね.

といっても,上の写真のように「人に宛てたもの」というよりは「自分の描けるもの」を手紙としているだけなので,いわゆる手紙の体裁はなしておらず,なにがなんだかわからないものなんですけれど.

お友達のお母さん方によると,手紙をもらった子達は随分嬉しかったようで,大はしゃぎで「私も書く!!!」とさっそく返事を書き始めたり,部屋に飾ったりまでしているそうです.長女もお返事をもらうようになりました.中には私の似顔絵まで描かれてあるものもありました.嬉しいですね.

先日夫婦で大笑いしたのが,「これ,Yくんにもらった」と長女が出してきたお手紙です.開くと大人の字で,幼稚園の先生への"ことづて"と思われることが書いてあります.妻がYくんちに電話して確認したところ,Yくんは手紙をもらったのが嬉しくてたまらず,連絡帳に挟んであった先生へのメッセージを娘に渡してしまったということでした.Yくんは家に帰って「手紙,Rちゃんに渡した」と言ったそうです.妻も Y くんのお母さんも大ウケでした.

私はインターネットもよく使いますが,手書きの手紙も大好きなのでよく書きます.手紙は絵や字からその人柄や気持ちがわかるのがいいところですし,なにより手に取れて,もらった「実感」があるのがいいです.


長女は手紙のせいなのか,ひらがなをどんどん覚えていきます.最近は幼稚園で字を「お勉強」として教えるところも多いようですが,そもそも何かがしたいから勉強する方が自然で,お勉強の結果として字が書けるようになるのは順序が逆だと思います.そんなお勉強はつまらないし,身になりにくいと思います.

親は子供の面白いと思うことを見つけてあげるのが仕事で,それは子供によってバラバラです.それには正解はありませんし,誰かが考えた立派な教材でもありません.
私達の長女は今はそれが「手紙」や「絵・工作」,「虫」です.そこからいろんなことを覚えていきます.興味を引き出すのは難しいですが,興味が向くとあまり手はかかりません.勝手に成長していきます.一方,何かを覚えさそうと思うときは,興味を引き出す苦労はあまりかかりませんが,成長させる(=覚えさせる)のに非常に苦労します.こちらの思いとのギャップもあり,親子双方にストレスもかかりやすいです.

私は前者のような育て方が好きです.

2008年11月22日土曜日

娘達へのクリスマスプレゼント --- コブタくんのつみき

もうすぐクリスマスですね.我が家の娘達にもプレゼントを用意しようと思います.娘達に何が欲しいか聞くと「おりがみ!」とサンタさんのお財布にやさしい希望を言ってくれました.

子供達にとって値段は重要じゃないので,工作の大好きな我が家の娘達に”おりがみ”と工作が楽しくなる道具を買おうと思っています.

そしてもうひとつ,娘達を驚かせるプレゼントを用意しました.「がんばれコブタくん」というつみきです.我が家にはドライマギア社すすめコブタくんというボードゲームがあるのですが,そのゲームのコブタ
くんのコマが娘達の大のお気に入り.このコブタくん達は木製でつみきとしても遊ぶことが出来ます.とてもうまく設計されているようで,面白いつみ方がたくさんできます.まるでコブタくん達が組み体操をしているよう.

ゲームに入っている7つのコマだけじゃ娘達は飽き足らず,もっとたくさんのコブタくんを積みたい様子でした.実はこのコブタくんのコマだけの別売りのパッケージがあります.それが今年のサプライズ・プレゼント.

娘達が喜んでくれるといいのですけれど.

私達はコブタくんをWood Warlockというお店で買いました.木のおもちゃが豊富に揃っていて,Naef のおもちゃなんかもいつもココで購入しています.

2008年11月20日木曜日

絵本をネタに「ごっこ遊び」をする

先日,我が家では三びきのやぎのがらがらどんで「ごっこ遊び」をしているというお話をしました.その時にも書きましたが,娘達の「ごっこ遊び」の対象になる絵本はそんなに多くありません.彼女達は童話館の配本サービスを受けているおかげで,たくさんの絵本を持っているんですけれどね.

せきたんやのくまさん (世界傑作絵本シリーズ)我が家で晴れて (?) 選ばれた絵本は,「三びきのやぎのがらがらどん」,「てぶくろ」,「せきたんやのくまさん」,「とんとん とめてくださいな」です.「せきたんやのくまさん」なんて図書館で1回借りてきたことがあるだけなのに,よくみんなで遊びました.当然,娘達がくまさんで私が馬です.妻が石炭を買うおばさんです(笑

「とんとん とめてくださいな」では妻はくまのおじさん役.色物ばかりですね(笑

とんとん とめてくださいな (幼児絵本シリーズ)ところで彼女達が絵本を「ごっこ遊び」の対象に選ぶ基準はなんなんでしょうね.ストーリーの面白さでしょうか.それとも登場人物(?)達の面白さでしょうか.そう言えば,どの絵本も登場するのは動物でした.娘達は動物が大好きですから,好きな絵本に動物が多く出てくるのは当然だとも言えます.

それなら,動物の出てくる他の絵本でも「ごっこあそび」をしてもよいはずですが,そうはなりません.


てぶくろ―ウクライナ民話 (世界傑作絵本シリーズ―ロシアの絵本)本当のところはわかりませんが,ある程度の長さのストーリーで,かつ,「ココ!」と言えるお気に入りのシーンのある絵本を選んでいる気がします.「がらがらどん」ならトロルをやっつけるところ.「てぶくろ」なら『きばもちいのしし』や『のっそりぐま』が小さな手袋に入っていくところ.「とんとん とめてくださいな」ならクマのおじさんが帰ってくるところ.「せきたんやのくまさん」なら『ドサッ,ドサッ』と石炭を積みおろすところ.

娘達は,そのようなお気に入りのシーンをよくマネします.私がふとんをてぶくろに見立ててあげたり,私が馬になってあげて せきたんやのくまさんになった娘を乗せてあげたりすると,とても喜び,遊びにノッてきます.すると,本の登場人物を家族に割り当て,まるで劇のようにそれぞれが思い思いのキャラクターになりきって,絵本の世界を満喫する.そんな遊びのコースが我が家の定番です.

みなさんもどうですか? 恥ずかしがったりせずに絵本のキャラクターになりきって子供達と遊ぶのは楽しいですよ.少しの”きっかけ”を与えてあげるだけで,子供はノッてきますよ.

2008年11月18日火曜日

「100万回生きたねこ」に賛否両論があるようだ(3) --- 投影させる経験のない子供にはウケない

100万回生きたねこ (佐野洋子の絵本 (1))またまた日が経ちましたが,「100万回生きたねこ」のレビュー第3回です.なんかここまでくると批判するために書いているような気がしますが,読書前読書後,他の人の意見を聞いた後でそれぞれ書くことにしたので書きます.

前回の投稿の後,まんじゅんさんからコメントを頂きました.私もまんじゅんさんのブログにコメントを書きました.そのなかで,なるほどと思った意見がありました.
色々なレビューを見て思ったのは、涙した方々は
みんな自分に何かしら投影させて読み取ったのだなぁということ。
少なくとも投影させる経験の無い子供には向けられていない
大人向けの絵本だと思います。
「投影させる経験の無い子供には向けられていない大人向けの絵本」...私がこの本を読んだ後に考えていたことや,レビューを読んで感じたことを言い得ていると感じました.


私がどうしてもこの本に引っかかりを感じていたのは,みなさんが子供にも読んでもらおうとしているところです.中央児童福祉審議会推薦図書だったり,お子さんに読んでもらおうという意見がレビューにあったり.

でも,私は「子供には不向きな本である」と思っていました.うまく言えないけれど,なにか素直に読めない......どこか説教臭いというか,共感させようとしているような......そんな感想を持っていたからです.いえ,別にそれが悪いとは言いません.本は著者の意見を発信する方法ですし,その意見に共感出来るならすばらしいことです.ただ,子供向きじゃないなと思うし,子供に読ませなくてもいいじゃんと思うだけなんです.

それが,うまく説明出来ないでいたのですが,まんじゅんさんの意見が私の考えを整理してくれました.この本の内容はすばらしいですが,自分の経験の中でそれと投影させるものをもっていない子供には響かないものなんだと思います.たまたま絵本の形をとっているので子供に読ませようとしてしまうのですが,子供...すくなくとも幼児には読ませるたぐいの話ではないのだと思います.

この本は,経験豊かな(大)人向けの本です.内容がすばらしいからといって,絵本だからといって,それだけで子供に読ませようとするのは,やめた方がいいと思います.

これまでの投稿)
  1. 「100万回生きたねこ」に賛否両論あるようだ(1)---本を読む前に
  2. 「100万回生きたねこ」に賛否両論あるようだ(2)---子供にしてみればありがた迷惑なテーマだ

2008年11月12日水曜日

「えかきうた」は子供にウケる?

先日のことです.長女の幼稚園のお友達Mちゃんとお母さんを,我が家に招待しました.Mちゃんと長女の間では,"お絵描き"と"字を書く"ことが流行っていて,我が家に来ても絵を描いて遊んでいたそうです(私は会社だったので詳しくは知らない).

えかきうた まるかいてちょんそして その流れで,長女が自分が持っている絵かき歌の本を出してきて,妻に描いてくれと言ってきたそうです.左の「まるかいてちょん」という本がそれです.これはぶっくくらぶから親向けに配本されたもので,我が家の娘達にも好評の本.「絵かき歌がそんなに面白いか?」と思うほどウケがいいです.これがなんとMちゃんにも大ウケだったそうです.

ちなみにこの本,昔から伝承されてきた絵かき歌を載せているので,うたも絵も古い.「あっというまに,『おかみさん』」とかね.でも,「おかみさんって何それ? アハハハ!!!」という具合にウケまくっていたそうです.何がウケるかわからないものですね.

それはともかく,絵かき歌には歌をうたっているうちに絵が出来てくる不思議さや面白さがあって,それが子どもを惹き付けるようです.「次コレ描いて! コレ描いて!」とどんどんせがまれます.子供達も最初は上手に描けなくても,だんだん描けるようになってきて大満足.昔ながらの遊びは飽きがきませんね.

ちなみに,「えかきうたがたくさん掲載されているページ」を発見.大阪のオープン・ザ・セサミという人形劇や人形アニメーションを制作を行っている団体が作っておられるようですね.今度娘とこの絵かき歌で遊んでみよう.

2008年11月8日土曜日

[絵本レビュー] 三びきのやぎのがらがらどん(マーシャ・ブラウン さく)

starsがらがらどんごっこ遊びまでしています
三びきのやぎのがらがらどん三びきのやぎのがらがらどん
マーシャ・ブラウン作, せた ていじ訳
福音館書店, 1965年07月
4歳の長女が選んだ今日の寝る前の絵本です.長女とともに2歳の次女もお気に入りにもなっています.

有名なお話なのでストーリーはここには書きませんが,実は面白いのはストーリーというよりも,お話のテンポやセリフなんじゃないかと思っています.瀬田貞二さんの訳がすばらしいのでしょうね.訳したのが昔なので言葉は古いですが,言葉の面白さはまったく古びていません.

そのためか長女も次女も「がらがらどんごっこ」が大好き.それぞれ”がらがらどん”になって,本のセリフをそっくり真似ます.彼女達は本が大好きで,長女は字を読めなくても持っている本のほとんどを覚えているほどですが,本を題材にごっこ遊びをするのはそう多くはありません.ストーリーに加えてセリフが面白いのだと思います.

たいていは,長女・次女・私が”がらがらどん”で三匹の役を交代でやり,妻がトロル(笑).「おれだ! おおきいやぎの がらがらどんだ!」と言って,妻をやっつけたりして遊んでいます.

家族が一緒になってワイワイ楽しめる --- 我が家ではそんな絵本です.

2008年10月21日火曜日

娘,昆虫図鑑を所望す

9月生まれの長女(4),7月生まれの次女(2)に遅ればせながら(遅れすぎですが),お誕生日プレゼントを買いました.引越しやら何やらで立て込んでいたんです.ごめんね.

欲しいものは決まっていて,長女は「昆虫図鑑」,次女は「あくたれラルフ」です.ムシ好きの長女の昆虫図鑑はわかりますが,なぜ次女がそんなにあくたれラルフを気に入っているのかわかりませんが,その要望を聞いてから,「おとうさん,あくたれらうふは?」と度々聞かれておりました.ちょっと胸が痛みましたが,2人同時に渡したかったし,図鑑は実物を見て買いたかったので,書店に行ける日まで我慢してもらいました.

さて,今日は仕事の都合で大きな書店に行ける日です.もちろん昆虫図鑑を探します.いくら幼児向けだからって,あまり稚拙なものは載っている虫の数が少なすぎてつまらないですし,あまりに本格的なものは字が多すぎで駄目.そうなると結構絞られてしまって,あまり選択肢は多くはありませんでした.図鑑って,種類がありそうであまりないのですね.

図鑑を選ぶのは私も初めてなので選別基準が難しかったですが,「娘が好きな虫(バッタ類)に的を絞り,虫の種類,絵・写真や図解などが多いものを」探しました.

昆虫 (小学館の図鑑NEO)結局選んだのは,小学館の図鑑NEO というシリーズの「昆虫」という図鑑です.写真がとても綺麗で,虫の数も豊富です.ちょっとした解説もあってなかなか楽しい.娘達はさっそく見入っておりました.

後から Amazon のレビューも見ましたが,良いコメントが多いようですね.コメント数も多いので,人気のある図鑑のようです.

ちなみに,娘は今,虫かごを欲しがっています.長女はシジミチョウを素手で採るハンターなのですが,採ったものを容れておきたいそうです.来年の夏は虫三昧の生活でしょうか?

お母さんの悲鳴が上がらない程度の採集にしてくださいね(笑

P.S.)
実は図鑑よりも「あくたれラルフ」をおいている書店を見つけるのにかなり苦労しました....あらかじめ Amazon で買っておけばよかった.

2008年10月17日金曜日

幼稚園で芋ほり

長女が幼稚園で芋ほりに行ってきました.

うちは横浜市内だけれど田舎なので,少し歩けば畑がたくさんある所です.幼稚園の近所の畑でみんなで掘ってきたそうです.たくさん掘り出せた彼女はご満悦の様子で,会社から帰ってきた私に自分の成果を見せてくれました.

私も幼稚園のときに芋ほりに行ったんですが,そのときの様子を鮮明に覚えています.

......友達と一緒に自分の足元を掘りだし,すぐに芋が見つかりました.でも,それがとんでもない大物で,周りの土を掘っても掘っても全体が見えません.友達が1つ,2つと掘り出しているのに自分はまだ1つの大芋と格闘していました.あれはたくさん取れるから面白いので,いくら大きいのにあたっても1つじゃ全然楽しくありません.

結局,ボールのようなまん丸の巨大芋と,ほんとに小さいのが2つしか取れませんでした.「なんでこんなのに当たったんだろう」と,悲しくなったのを覚えています.

さて,幼稚園に戻り,家に帰るとき,お友達のお母さんが迎えに来ていることに気づきました.私の幼稚園は園児が自分の足で家に帰ります.そのときも特に送迎の案内は来ていなかったそうなのですが,重い芋を持ってあげるために迎えに来ているのです.でも私のお母さんは来ていません.

私の母は,今の世なら「不思議ちゃん」と言われてたであろう個性的な人で,そういう機転がまったく利きません.家で普段どおり待っていたそうです.私は園児にしては重い巨大芋を「ひーひー」言いながら,再び「なんでこんなのに当たったんだろう」と思ったことを覚えています.
.....

そんなことを思い出しながら,娘の成果を見ました.もう既に1つを焼き芋にしていて,「これお父さんの分だよ」と,娘からおイモをもらいました.

それは,ホクホクして甘い味でした.

2008年10月11日土曜日

「こんにちは赤ちゃん事業」の実施率は約 6 割

こんにちは赤ちゃん事業」のことを書きましたが,厚生労働省の調べによると,全国平均で都道府県別の実施率は 58.2% だそうです.(平成19年度「生後4か月までの全戸訪問事業」及び「育児支援家庭訪問事業」都道府県別実施状況(平成19年4月1日現在))

自治体によって出生数が違うので,出生数で見るとどのくらいカバーできているのかわかりませんが,60点はあまりいい成績ではありませんね.実施義務はないようですが,実施されない原因はどこにあるのでしょう.実施側 (自治体) と受け入れ側 (各家庭) それぞれに何かあるのでしょうね.

私達は,保健士さんが訪問してくださったことがとても役に立ったので,このような事業は続けて欲しいと思っているのですが,「知らない人が来るなんて,嫌だ」という家庭も,最近は多いような印象を持っています.実施している市町村でも,訪問率はどのくらいになるんでしょうね.あまり高くないんじゃないかなあ.どうなんだろう.

幼児連れで引っ越し

先週末,同区内で引っ越しをしました.会社の社宅制度の変更があり,引っ越しが必要になったためです.歩いて 10 分くらいのところに引っ越した (最寄り駅のこっち側からあっち側くらいの移動) ので,生活圏は全く変わりません.

とはいえ,そんなに簡単に移動出来る訳でもなく,契約やら準備やら後片付けやらで,2 ヶ月あまりバタバタしていました.おかげで 4 歳になる長女はずいぶんとストレスをためた模様.昨日,幼稚園で淋しくなって泣いてしまったそうです.

今日は,段ボールもほとんど片付きスッキリした部屋になり,引っ越して初めての土曜日を親子でテレビを見たり,外で遊んだりして,気分が晴れた様子でした.やれやれ.

14ひきのひっこし明日は 2 人の大好きな14ひきのひっこしでも一緒に読もうかな.ちなみに,長女は引っ越しするには,14 ひきのねずみ一家ののように,竹や材木を運び込んで家を作らなければならないと思っていたのか,「竹を運ぶからね!」と意気込んでいました.

たしかに引っ越しの準備のあたりから荷造りを手伝ってくれたり,運ぶのを手伝ってくれたりしてとてもよくお手伝いをしてくれました.楽しんでいるように見えましたが,彼女なりに気を使ったり,我慢したりしていた事があったんですね.

ありがたいことです.

2008年8月17日日曜日

子供と作る簡単おやつ-バタつきパンのジャムつきパン

クマくんのバタつきパンのジャムつきパン (日本傑作絵本シリーズ―クマくんのおいしいほん)我が家で最近流行っているおやつが,「バタつきパンのジャムつきパン」.同名の絵本,クマくんのバタつきパンのジャムつきパンに登場するおやつです.作り方はカンタン
  1. フランスパンを切って (絵本では厚く切ることになっていますが,うちは幼児なので 1 cm 強くらいにしています)
  2. バターをいっぱい塗って
  3. ジャムをたっぷり塗る
これだけです.これがとてもおいしい.我が家の毎日のおやつになりました.もちろんこの時は 2 人の娘も一緒に作ります.1 人がバターを塗る係で,もう 1 人がジャムを塗る係.「お父さんは,甘いのが苦手だからジャムを少なめにね」とかワイワイ言いながら作るのも楽しい.もちろん,食べた後に絵本を読むのもいいですね.

ところで,本に登場する食べ物って妙においしそうに感じますよね.あまりにおいしそうなので,嫌いなものが好きになったりすることもありました.このバタつきパンのジャムつきパンも,本の魔法がかかっているのでよりおいしく感じられるのかもしれませんね.


さて,絵本に登場するジャムは手作りのイチゴジャムですが,我が家ではジャムを作るほどの元気はないので,サンダルフォーのフォーフルーツジャムを使っています.砂糖不使用のジャムなので甘さがきつくなく,バタつきパンのジャムつきパンとてもよく合いますよ.

2008年7月24日木曜日

祖母の家で読む古い本

今,長女はイソップ物語にハマっています.正確に言うと,私の実家にある「イソップどうわ」という本にハマっています.それは「のろまなローラー」の小出正吾さんが書かれた小学生低学年向けの本で,学研から出ている「愛蔵版‥世界の童話1 イソップどうわ」というものです.1970 年が初版ですから,もう 40 年近く前の本です.そんな本を毎日私達のところに,「これ読んで」と持ってきます.

でも実は,読み聞かせているうちに私もこの本が好きになっていました.その本にはイソップのお話によくあるお話の意味の解説がほとんど(全く?)ありません.その頃の時代のせいなのか,今が過保護なのか.

ツルに意地悪をしたキツネが仕返しされても,つぼに入ったご馳走をキツネは食べられませんでした...でおしまい.「意地悪していたらこんな事になるんだね」なんて解説はありません.おまけに低学年向けなので話も短く,とてもあっさりしています.

すると読後に「これは何を言おうとしているお話なんだろう」と,自然と考えさせられます.長女も彼女なりに考えている様子です.黙っているのも変なので,『意地悪ばかりしていると...』などと私なりに解説を入れています.

でも本の面白さってこういうものなのかもしれませんね.自分で解釈するもので,解説なんて余計なのかもしれません.


ところで,私は親戚の家にある昔の絵本や童話を読むのが好きでした.本の見た目だけでなく,表現も少し古く,あきらかに「今」とは違います.扉を開けて古い世界を覗き込んだような,親戚のお兄ちゃん・お姉ちゃんの子供の頃を覗き込んだような......そんな雰囲気が好きでした.

そんなことありませんでしたか?

2008年7月21日月曜日

国際児童文学館を存続させて欲しいです

今日は大阪府吹田市の万博記念公園内にある府立国際児童文学館に行ってきました.

この施設は児童書を専門とする国内最大規模の蔵書を誇る資料館・研究施設です.恥ずかしながら大阪生まれの私ですが,その存在を知りませんでした.しかし,大阪府の財政難のため,中央図書館への統合の方針が橋本大阪府知事から打ち出されています.

なくなる前に是非行っておきたかったので,家族で連れ立ったのでした.

チビ連れでしたので,1 階のこども室にしか行きませんでしたが,絵本から中学生向けの物語までたくさんの本が開架されていてわくわくしました.

たくさんの児童書に囲まれながら子供に読み聞かせをしたり,懐かしい絵本のページを繰ったりするのはいいですね.そこにある雰囲気と言いましょうか,本に迎えられ,本の世界に浸り,心が洗われるような,そんな感覚があります.それが,万博公園の緑の中にあるためか,児童書ばかりが置いてあるためかはわかりませんが,私はこの図書施設の雰囲気が好きになりました.

本に読み疲れたら,軽食ができるコロナというレストランがあります.妻が小腹が空いたと言い,ゴマだれの冷麺を注文したのですが,ひじょうに美味しかったです.長女に随分とぶんどられていました(笑

お腹がいっぱいになったら,館の前にある自然文化園のなかの遊具で遊んだり,池でボートに乗ったりと遊ぶ事も出来ます.本を読み,お腹を満たし (笑),緑の中で思いっきり遊んで帰ってきました.こんな環境がなくなってしまうかと思うと,かなり残念です.なんとか残せないものなんでしょうか.

子供を持つようになり絵本を読み聞かせるようになりましたが,児童書への専門的な知識を持った方の重要性を知るようにもなりました.そういった方々の薦めて下さる本は私達が手には取らないと思われる本もあります.でも確かに読むと面白く,子供も喜んでくれます.また,特定の企業の商品やキャラクターに偏っていないことも必要です.子供に受けそうなキャラクターは出てきませんが,何かに偏っている事もなく,いろいろな作品に触れられる事も子供の頃は重要だと思うからです.

中立の立場に立った,児童文学館のような公共施設はぜひ存続させて頂きたいと思います.

2008年7月19日土曜日

法事に幼児を参加させてみました

夏休みのため大阪に帰っていますが,今日は実家で法事がありました.三回忌などの年忌の法要なのではなく,通常の命日の法要なので規模の小さなものです.

なかなか実家の法事も参加できないので,参加したい思いましたが,子供がいるので少しためらいました.我が家の娘はまだ 3 (今年 4) 歳と 2 歳. 騒いだらまずかろうと思います.

しかし,母は『子供なんやから,騒ぐのは仕方ないし,せっかくやから参加したらええ』と言います.ちょっと迷いましたが,来て下さるお上人とは,長くお世話になっているためお互いよく知っているので,「まあなんとかなるだろう」と思うのと,宗教行事に参加させるのも悪くないと思うのとがあって,子供と参加しました.

「今日は,お坊さんが来るよ」と娘に伝えると,まんが日本昔話でしか見たことのないお坊さんに会えるとばかりに,大はしゃぎになりました.

はたして,お上人がいらしてお経をあげられますと,長女は祖母の横にちょこんと座り,次女は妻のひざの上で,食い入るように見入っています.興味津々の様子.厳かな雰囲気のためか,騒ぐことなく静かにしていました.とは言え,お経が子守唄になってしまったのか,二人とも最後には眠ってしまいましたけれど.

長女が目を覚ました後に聞いてみると,「なんか,なむなむって言ってた.変なこと言ってたよ」って笑っていました.

終わってから思ったことですが,参加させてよかったと思いました.私は特定の宗教に対して信心深くはありませんが,小さな頃から宗教に向き合うのは悪くないと思っています.私は 1 年生のときに祖父が他界したので,その後,お寺へ法要に行ったり,面白半分にお経を覚えてみたりしましたが,そういった環境のなかで得たもの,自分で考えたこと,たくさんありました.そしてそれは今の自分の糧になっています.

彼女達が何を思ったかわかりませんが,「ひいお婆ちゃん,おはよう」と言いながら仏壇の扉を開けたり,おりんを鳴らしたりしている姿を見ながら,なにか自分自身の宗教観や考えを形成してもらえればなと思いました.

2008年7月18日金曜日

子供の記憶力ってすごい

子供の記憶力のすごさを感じました.

今日から家族で大阪の実家に帰っているのですが,長女がまた中耳炎を患いました.これで 2 度目です.1 度目も大阪に帰っていた今年の GW 中.今回も同じ耳鼻科に行きました.

とりかえっこそこの待合室にある子供コーナーでのお話.長女が「とりかえっこ」読んでと言いながら 1 冊の絵本を持ってきました.それはまさに「とりかえっこ」という絵本.妻は長女が字を読めるようになったんじゃないかと思ったそうです.もちろん,長女はまだ字が読めません.

なんと,長女は 2 ヶ月も前に読んだ絵本のタイトルを覚えていたのでした.

さすがに驚きです.まだ 3 歳の彼女にとって 2 ヶ月前はかなり過去のはず.とても印象に残った絵本だったんでしょうね.

2008年7月11日金曜日

突然の腹痛と40度近い熱にあわてました

昨日の夜の 9 時半頃でした.2 歳になったばかりの次女が突然に起き,「おなかが痛い!」と言い泣きわめきました.からだを触るとすごく熱い.体温を測ろうにも暴れてなかなか測らせてもらえません.計測途中ですが体温計は 39 度半ば.これは尋常ではないと思い,救急車を呼びました.

長女と私は家に残り,妻と次女は救急車で病院に運ばれました.2 人で布団に入りましたが,気になって落ち着きません.初めて救急車を近くで見て,しかも家族が深夜に運ばれるという事態に興奮している長女をなんとか寝かせると,妻から電話がありました.

「○○ちゃん,便秘だったんだって」

は? そうでしたか.......結局のところ,風邪をひいて胃腸の働きが悪くなり便秘になり,それでもいつものようにたらふく食べたので腹痛になってしまったようです.浣腸してもらい,深夜過ぎにすっきりした顔で帰ってきました.大事には至らずなによりですが,結果に脱力感を感じるところが,なんとも次女らしい.ドジばかりするけど憎めないタイプです.

しっかりものの長女 (今年 4 歳) は,母親がいなくなったので淋しそうでしたが,「朝になったらお母さん帰ってくるよ」という私の言葉を信じ,ぐずりもせず寝ました.偉かった.

慌てたのは,私と妻だけでした.

2008年7月10日木曜日

7月の配本 - 童話館ぶっくくらぶ(小さいくるみ・大きいいちごコース)

童話館ぶっくくらぶから 7 月の配本が到着しました.長女には「小さいくるみコース」から,次女には「大きいいちごコース」から1冊ずつ配本されます.さて,今月の配本は...
ちいさなねこ (こどものとも傑作集 (33))ちいさなねこは,今年他界された石井桃子さんの作品です.一度読んだだけで私はこの絵本が大好きになりました.主人公のちいさいねこの母親が「親はかくあるべき」姿を見せてくれます.一人でじっくり味わいたい作品です.

えきペディア - ベビーカーを押して初めての駅に行くときに便利そうです

えきペディアというサイトを知りました.全国 9 都市,地下鉄 40 路線,704 駅の案内図を見ることが出来るサイトです.身体に傷害のある方や子供連れの方に情報提供をすることを考えているため,エレベータやエスカレータ,トイレの設備状況などの情報を見ることが出来ます.

こういうサイトは助かりますね.ベビーカーを持って外出するときは,施設のエスカレータ・エレベータの設置状況がいつも気がかりでした.こういうサイトであらかじめ設備状況を知れるのはとても助かります.

2008年7月8日火曜日

校庭の芝生化

学校の校庭を芝生化しようとする動きがあるそうです.東京都大阪府も既に取り組んでいて,もう芝を植えている校庭もあるそうですね.子供が校庭で遊ぶようになること,ヒートアイランド現象の改善などに貢献すると期待されているようです.

芝といえば,私の子供の頃には「踏んではいけないもの」のイメージがありました.手入れの面倒さがあるで荒らさないということなんでしょうが,整った庭には踏み入らないもの(日本庭園のイメージでしょうか)の雰囲気がそこにありました.そういう妙な考え(?)は打ち消されているんでしょうかね.そんなことを少し思いました.

私は野山で暴れまわるのが大好きなので,土ぼこりの舞う校庭より草の生えている校庭の方が魅力的ですけれどね.

2008年7月6日日曜日

[絵本レビュー] みんなみーつけた

stars子供と一緒になって探すのが楽しい
みんなみーつけた (幼児絵本シリーズ)みんなみーつけた (幼児絵本シリーズ)
きしだ えりこ やまわき ゆりこ
福音館書店, 1999年08月
先日借りた絵本を返却しに図書館へ行きました.もちろん,絵本もいつもどおり読んできました.その中の 1 冊がこれ.

岸田衿子さんと山脇百合子さんのコンビによる作品,「みんなみーつけた」です.お二人による作品には他に「きょうの おべんとう なんだろな」と「どこでおひるねしようかな」があります.この 3 冊とも,おとこの子,ゾウさん,クマさん,ブタさん,ウサギさん,ネコさん,リスさん,コガネムシさんが登場し,続き物としても読めるようになっています.

さて,みんなみーつけたは,上述の動物達 (おとこの子も動物ですものね) によるかくれんぼのお話.おとこの子が次々に動物達を見つけていきます.楽しいのは,隠れている動物が少し見えていて,次のページでみつけられるという仕掛けになっているところです.当然子供もその仕掛けがすぐにわかり,一生懸命見つけようとします.そうやって一緒になって「どこだ? どこだ?」と言いながら探すのが楽しい絵本です.

このシリーズの中で私が好きなのが,コガネムシさん.本当に小さくて鉛筆の先ほどにしか描かれてありません.でもよーくみると足もハネも描いてあってムシとわかります.見つけたときには「あっ! いたっ!」と子供と一緒になってはしゃぎ,笑います.

そして,最後のページにはみんなが隠れていた場所の一覧があります.そこで「○○さん□□に隠れていたねー」と回想しながら,またページを戻って絵本の世界に戻ります.

短い作品ですが,たくさん楽しめる絵本です.

2008年7月3日木曜日

[絵本レビュー] なにをたべてきたの? (岸田 衿子)

stars子供と一緒にぱくぱくぱくっ
なにをたべてきたのなにをたべてきたの?
岸田 衿子
佼成出版社, 1978年01月
3歳の長女と1歳の次女ともに大好きなのがこの本です.

しろぶたくんが,りんご,レモン,メロン,ぶどうを食べて,どんどん大きくなり色も変わっていきます.でも最後に石鹸を食べてしまって,きれいな色になった体が,また真っ白になる....そんな不思議なお話.

長女も次女も,次に食べるものを言いたくて仕方がありません.私がページをめくろうとして,次のフレーズを読もうとしたらすぐに,「レモン!」とか「メロン!」とか叫び,しろぶたくんがくだものを食べているページになると,自分達も「ばくっ!ばくっ!」と食べるまね.

「あれれ,しろぶたくんの分も○○ちゃんが食べたかな?」

とか言ってお話を少し変えて楽しんだりしています.石鹸を食べて口や鼻から泡がブクブク出ちゃうところはいつも不思議そうに見ています.

大人にとっては,なんてことのない絵本ですが,子供は楽しいお話のようです.

2008年7月2日水曜日

「くまのがっこう」という絵本が人気らしい

「くまのがっこう」という絵本が東京中心に人気を広げているそうです.47 News に「セレブに人気、クマの絵本 教育的でおしゃれが決め手」という記事がありました.下に一部引用します.
12匹の子グマの日常を描いた絵本シリーズ「くまのがっこう」が、東京中心に人気を広げている。かわいいだけではなく、教育的な要素も持たせたキャラクターで、支持層は若い“セレブ”な母親や子ども。これまで全13冊が刊行された絵本は海外でも翻訳され、発行総数は100万部を超えた。
...(中略)...
主なターゲットに据えたのは都会に住み、4-6歳の子どもを持つ比較的裕福な若い母親。「子どもの教育に熱心で、オシャレにも敏感」という特性を意識した。(2008/07/02 15:56 【共同通信】 - セレブに人気、クマの絵本 教育的でおしゃれが決め手)
子供向けの商品を作るときは,財布を管理する親をターゲットにするのは常套手段です.が,子供向けの絵本なのに,ターゲットは母親で,キャラクターはかわいいが,教育的要素持たせているのが本当にそうだとすると,ちょっと残念です.

教育的要素があって,しかもかわいくて,母親にも嬉しいならわかりますが,この順番が逆であるとすると,実は出版社側にとって子供は一番優先順位が低いってことになりませんか? 「売る」ことを考えると,わからなくもないのですけれど.それが前面に出すぎているのもね...しましまのトラのキャラクターを持ち,しつこくダイレクトメールを送ってくる某社と同じ臭いがします.

マーケティング活動が透けて見えすぎているのが,あまりよくない分野もあると思うんですけれどね.
とは言え,絵本を実際に見ていないので,「まずは実物を見てから」ですね.

【参考】

2008年6月30日月曜日

絵は口ほどにモノを言う

絵ってすごいですよね.描いている時は特に気にしていなくても,どこかにその時の心理が出ているものです.

受験間近の中学3年生の美術の時間に,抽象画のようなものを描かされた事があったのですが,私はずいぶん暗い雰囲気の絵を描いていました.描いている時は明るい感じを出したかったんですけれどね.卒業する時に絵を返してもらい,その絵の暗さに驚いた事を今でも覚えています.受験前で不安だったんでしょうね.ちなみに,私の友人は,ピンクや赤をふんだんに使ったふわふわした絵を描いていました.友人には彼女が出来たばかりでした.(わかりやすい...)

さて,幼稚園の父の日会という行事に参加したときです.娘からお父さんの絵をプレゼントしてもらったのですが,隣のお友達のお父さんの絵に目が止まりました.その絵は画用紙に対して小さく,黒の単色で描かれてあり,単調でした.なぜだか少し気になった絵だったのですが,その子は大人しい子でしたから,絵も大人しいのかなと思って見過ごしていました.

数日後,妻から聞いたんですが,その子にはもうすぐ2人目の兄弟が生まれる予定で,(母親に甘えられないためか)幼稚園でも元気がなく,先生が心配してお家に電話してきたほどだったそうです.そのとき,父の日会での絵を思い出しました.

気になったのは絵から感じるその子の元気のなさだったのかもしれません.

絵にはその時の心理が出ると思っています.自分の娘達にも時々絵を描いてもらおうかな.そんな風にも思いました.ちなみに私のもらったお父さんの絵は,のびのある楽しい絵でした.よかった.

2008年6月29日日曜日

[絵本レビュー] いいきもち (ひぐち みちこ)

stars親子で笑顔になれる本
いいきもちいいきもち
ひぐち みちこ
こぐま社, 2004年03月
次女(まもなく2歳)が,今日の寝る前に読んでくれたのがこの本です.彼女は最近(長女がそのようにしているからか)私達に絵本を読んでくれます.もちろん字は読めないので,うろ覚えながら記憶しているフレーズを,思い出し思い出ししながらがんばって読み聞かせてくれます.

この本では,いろいろな植物や動物が「○○にだかれていいきもち」になっています.例えば,種が「土にだかれていいきもち」という具合です.もちろん「いいきもち」というフレーズが繰り返され,文章をうろ覚えの次女もそこはしっかり覚えています.読むのに私が助け舟を出していても,そのフレーズにくると満面の笑みで「いいきもち!」と一緒に言います.親子に一体感が生まれます.絵本を読んでいて楽しい瞬間ですね.

先ほど妻にそのことを話すと,妻と読んでいるときは「○○にだかれていいきもち」と言いながら,ムギューと抱き合うそうです.

読んで幸せな気持ちになれる本は大好きです.

2008年6月23日月曜日

[絵本レビュー] おしょうがつこびとのおはなし(まついのりこ さく)

stars月のお話をするきっかけになりそうです
先週に図書館へ行きましたが,そのときに次女が借りた本がこの本です.じゃあじゃあびりびりなどの本で有名な,まついのりこさんの本ですが,この本を見たとき,(失礼ながら)ずいぶんと地味な内容の本を選んだなぁと思いました.

お正月こびとが,リスとサルに凧を作ってもらい,それにのって川を越えてある家につきます.お正月こびとがその家の前で杖をまわすと,各月の小人が12人出てきて歌をうたう...そういうお話.

それだけなんですが,長女は出てきた12人の小人(1月小人,2月小人,...)が好きで,小人を指差しては「□月は○○の誕生日? △月は○○の誕生日?」というように月と家族の誕生日を確認しながら絵本を楽しんでいます.

数や月という概念自身が興味のある年頃ならではの楽しみ方ですね.

2008年6月21日土曜日

[絵本レビュー] いもうとのにゅういん(筒井 頼子 さく)

いもうとのにゅういん今日は典型的な梅雨の空模様.公園に遊びにも行けそうにもありません.しかたがないので,家族みんなで図書館に行きました.「しかたがない」とは言いつつもみんな本が大好きなので,図書館も大好き.今日もたくさんの絵本を読み漁りました.そのなかで私が勝手に決めた今日のいちばんを紹介します.「いもうとのにゅういん」です.

この絵本は,筒井頼子さん,林明子さんによる「あさえとちいさいいもうと」の続編で,あさえ・あや姉妹のものがたり.妹思いのあさえが,妹の緊急入院,父親との二人でのおるすばん等を期に,ひとまわり成長するというお話です.妹のお見舞いの時には,とても大事にしていた(そして妹のあやちゃんが欲しがっていた)お人形を,なんとあさえはプレゼントします.とても心温まるお話です.

あさえとちいさいいもうと長女は一度読んだ事がある本なのですが,今日も真剣に聞いていました.妹が入院することを母親から電話で聞かされたシーンとか,あさえの父親が会社から帰るまでひとりぼっちで淋しい思いをしているシーンとかは,まるで自分がそこにいるかのような顔をして真剣でした.きっとお話の中に入っていたんでしょうね.手術を無事に終えたあやちゃんがベットで笑っているのを見たときには,安心した様子でした.

長女にとってみれば自分にも歳の近い妹がいるので,あさえは自分を重ねあわせられる存在なのかもしれません.たしかに彼女は次女が生まれる時に,私(父親)と二人で食事したり寝たりしたので,同じような不安を感じていたのかもしれません.もちろん推測でしかありませんが.

ともかく,この絵本には引きつけられる何かがあります.私は,それは「面白い題材」「しっかりした筋」「きちんとした文章」だと思います.読み手を絵本の世界に引き込む力のある本ですね.

2008年6月12日木曜日

6月の配本 - 童話館ぶっくくらぶ(小さいくるみ・小さいいちごコース)

童話館ぶっくくらぶから 6 月の配本が到着しました.長女には「小さいくるみコース」から,次女には「小さいいちごコース」から1冊ずつ配本されます.さて,今月の配本は...ガンピーさんのドライブは,私の大好きなジョン・バーニンガムの絵本です.「これが犬なのか?」と思うような,(失礼を承知で言うと)ヘタクソな絵の動物が出てきます.しかし,やわかく優しい絵はお話の世界に誘ってくれるとても良い絵です.しばらく集中的に読まされそうな予感です.

2008年6月11日水曜日

子育て:最近の「自分も楽しむ」風潮は逆にストレスの原因になるんじゃ

我が家の娘達は3歳と1歳,かわいいですが手のかかる時期です.子育てしていると自分の子供と同年代の子供やその話題ばかりが聞こえてきますね.子供が生まれる前は,妊婦ばかりが目に付いていたのにほとんど見なくなりました.人間は関心があることだけ見えるのですね.不思議なものです.

だからでしょうか,テレビや新聞,インターネットなどの報道では,幼児の子育ての話題ばかりが目についています.

さて,そんな話題の中で「鼻についちゃう」のが,「お母さんも楽しむ○○」みたいなやつです.子育てに大変な親をターゲットに商機を見出そうと,いろんな商売が出てくるのは構いません.でも,そういうのって,逆にストレスの原因になることも多いんじゃないかと思っいて,あまり良い印象を持っていません.「楽して子育て」みたいな臭いがするのも気分が良くありません.

子育てを楽しむのは良いことです.それこそ歓迎すべきことだと思いますが,そのとき楽しむのはあくまで「子育て」です.「自分の楽しいと思うこと」をしながら子育てをすることは,それとは違います.

子供と公園で遊んだり,折り紙をしたり,ごっこ遊びをしたり,一緒に料理を楽しんだりすることは前者です.自分が遊びたいことややりたいことを,子供と一緒にするのは後者です.ちょっと乱暴なわけ方なので,異論もありだと思いますが...

ただ,最近の子育てに関する話題の中には後者の部類がとても多いように思い,違和感を感じています.

「自分がやりたいことを子供と一緒にしよう」と思うとき,子供を巻き込むことになるのですが,子供も人である以上,全て自分の思い通りにはなりません.そして,自分のやりたいことそのものが思い通りにならない時もあります.それは誰だってイライラするし,ストレスが溜まるでしょう.そして,そうなりがちだとも思っています.視点が自分側(大人側)を向いているからです.子育ての対象は子供なのに.

子育て中は,視点を子供側におく必要があると私は思っています.大人側じゃありません.そして,実はその方が,子供と上手く付きあえ,子供も大人のことを理解してくれ,ストレスも溜まりにくい子育て生活が過ごせる.そんな風に信じています.

2008年5月31日土曜日

おさるのジョージ

我が家の娘達(3歳と1歳)は,おさるのジョージが大好きです.妻が子供のころに大好きだったジョージがアニメで放映されることを知り,見るようになったのがきっかけです.

じてんしゃにのるひとまねこざる今では,家ではおさるのジョージごっこ(気に入ったお話をお芝居します)をし,図書館ではまっさきにおさるのジョージを読むようになりました.おさるのジョージはどこの家庭でも人気のようで,「おさるのジョージあるかな?」といって図書館で絵本を探している子供達も少なくありません.

探すときに注意しなきゃいけないのは,タイトルが「ひとまねこざる」になっている絵本もあることです.私の行っている図書館では見つけられていない子供達も多いようですね.先日は,私達が読み終えた本を「それ貸してくれる?」と言って本を持っていった男の子が,母親に向かって「こんなジョージの本もあった!」とうれしそうに見せていました.よかった.よかった.

ところで私がおさるのジョージを見ていて楽しいのは,ジョージそのものではなく,その周りの大人たちです.ジョージがいろんな失敗(なかにはとんでもない失敗もあるのですが,それはお話ということで)をしても,頭ごなしに怒ったりすることなく,ジョージの話を聞いてあげます.そしてきちんと注意し正しいことを教えてあげます.

おさるのジョージどうぶつえんへいくなぜなら,ジョージは決して”悪さ”をしようとしているわけじゃありません.いろんなことに興味があって知りたいと思うからこそ,いろんなことに挑戦します.でも失敗してしまうだけなのです.それを大人達は知っているんでしょう.だからこそ,ジョージを頭ごなしに攻めたりはしません.このお話のそういうところが大好きです.

育児にイライラするとき,おさるのジョージを読んでみるのもいいかもしれませんね.大人にもお勧めの絵本です.

2008年5月30日金曜日

子供らしさの対極に大人らしさがある訳じゃない

「あいつはまだ子供だ」という言葉があります.大人になっていない人を指して言われる事が多いですが,最近,この表現は適切でないと思うようになりました.

私の今の考えでは,子供らしさの対極に大人らしさがあるのではなく,子供らしさと大人らしさは両立するものです.
  • 一般に子供は,子供らしいが,大人らしくない人.
  • 一般に大人は,大人らしいが,子供らしくない人.
  • どうにも困ってしまうのは,大人らしくもなく,子供らしくもない人
じゃないかと思っています.「あいつは子供だ」というとき,実はその人は子供でも,大人でもないですよね.本当に子供であるならばそんなに困った事にはならないと思います.そして,理想は
  • 子供らしく,かつ,大人らしくある人
でしょう.子供は自由な発想や,不思議なものを不思議と思う素直さ,探究心,好奇心に溢れています.一方大人には,ネゴシエーションや人をモチベートするなど社会的な力があります.双方ともに持っておきたい力です.

私は子供と接する度に子供らしさを失いたくないと思いますし,年配の方と接する度に自分の至らなさを痛感します.どうしたら子供らしい輝きを保ったままに大人の風格を得る事が出来るだろうか.そんな事を日々考えています.

2008年5月25日日曜日

「100万回生きたねこ」に賛否両論あるようだ(2)---子供にしてみればありがた迷惑なテーマだ

随分前になりますが,「100万回生きたねこ」という絵本に賛否両論あるようだから,一度読んでみようとブログに書きました.娘と図書館に行った時にようやく読む機会を得たので,今日は私の感想を書こうと思います.

読んだ最初の感想は,「教訓じみた事を押し付けてくるタイプの本だ」なということでした.そして,良い事を言っているようだけれども,どこかすっきりとしないとも感じました.悶々としばらく考えていましたが,今の私の結論は次のようになりました.

「この本は子供の目線で書かれたものではなく,大人の目線で書かれたものです.しかも子供向けの絵本じゃありません.大人が子供に先輩として何かを教えようとしているのではなく,『人を愛するということは,こういうことで,私もそうなのよ.わかってね』という子供にしてみれば少しありがた迷惑な話を伝えようとしているものじゃないか」

なんでこんなに賛否両論なんだろうって思いながら読んだので,こんな感想になってしまったのかもしれませんが,先日書いた「パンやのくまさん」のようなやさしい気持ちにはなれない本だとは思います.

私は,書籍の内容の善し悪しを言うつもりはありません.ですが,これが子供向けに書かれているとしている事が議論を生んでしまったとは言えそうです.産婦人科や子育てサークルのような子供を産む・育てている女性が対象読者であるとすれば,議論になる事もなく,子供にも読ませたいなと思うのは個々の考えでしょう.ちなみに言わずもがなだと思いますが,テーマが愛だけに男性には受けないと思います.

ま,とにかく,じつは大人向けの絵本だからこそ,
これはひょっとすると大人のための絵本かもしれないが、真に大人のための絵本ならば、...(略)...
という出版社からの内容紹介があるのでしょう.ただし,私は大人向けの絵本は子供も楽しめるとは思いませんので,子供向けの絵本としてはオススメ出来ません.

次は,いろいろなレビューを見てみようと思います.

*) 誤字脱字を加筆修正 (2008.11.18)

2008年5月24日土曜日

[絵本レビュー] はたらきもののくまさん

せきたんやのくまさん家族で図書館に行ってきました.いつものように絵本コーナーでたくさんの本を読み,帰りにはお気に入りの絵本を借りて帰ってきます.借りたのは,「せきたんやのくまさん」,「うえきやのくまさん」,「ぼくじょうのくまさん」の 3 冊です.同じシリーズの本です.

パンやのくまさん我が家には童話館ぶっくくらぶから届いた「パンやのくまさん」があるので,長女はこのくまさんのことを知っています.そしてこのくまさんが大好きです.「おとうさん! くまさん見つけたよ!」といってまとめて持ってきて私達に見せ,「これ借りる!」と絵本を胸に抱いて即決していました.いつもは借りる本に悩む長女なんですけれど.

うえきやのくまさんこのシリーズのくまさんはとても働き者です.決まった仕事を持っていて,朝早くから仕事を始めます.夜は食事が終わると眠ります.お客さんに対応するくまさんはとても礼儀正しく,あいさつを忘れません.そしてお金をもらって,きちんと数えてポケットにしまいます.パンやのくまさんは寝る前にお金を数えて,貯金箱にしまいます.

ぼくじょうのくまさんこの本は数が出てくるので数の勉強も出来ますが,それよりも働くことと働く喜びを教えてくれるすばらしい本です.くまさんが働くよろこびを語ってくれる訳ではありませんが,くまさんが自分の仕事にやりがいとよろこびを持っているように感じるからです.どうしてでしょうね.

ひょっとしたら,絵本の中のくまさんが仕事を中心に生活していて,それでいて不満を口にせず,仕事に対して丁寧な態度を私達に見せてくれるからかもしれません.だから,「このくまさんは仕事に喜びを持っているんだろうな」って感じるんだろうなって思います.

私はこのくまさんが大好きです.

娘達はどうしてこのくまさんが好きなんでしょうね.今度聞いてみたいと思います.

2008年5月18日日曜日

子供たちは話を聞いてもらいたがっている

私は子供好きとか,子供と遊ぶのが上手いとか,そのようによく言われます.でも,子供と遊ぶと私も気疲れするので,本当はそうじゃないと思っています.とは言え,子供がいれば勝手に子供の方から集まってくるので,少なくとも子供から嫌われてはいないようです.

昨日は娘 2 人と公園に行きましたが,いつも一緒に遊んでくれているお友達(長女の1つ下の女の子)とそのお母さんに会いました.一緒に遊んでいるうちに,その子が私にいろいろ話しかけたり,手をつないできたり,寄り添ってきたりと随分なついてくれました.そういうのは他のお友達でもありますし,初対面の子供でもあります.また,長女の幼稚園を決めるときに説明会に行って,園庭の園児に集団で囲まれて保父さん状態になったこともあります.

実はそんな状態になるのは簡単で,単にその子供の話を聞いてあげるだけで構いません.と言っても子供は非常に第六感が働くので(自分の子供のころを思い出してください),いいかげんに話を聞いているとすぐに見破られてしまいます.ですから,こちらも真剣に聞きます.たとえ,アリが空を飛んでも,草が歌っても,話の筋がすっ飛んでいても笑ってはいけません.「すごいね.それはどうして?」と聞いてあげると感性豊かな面白い答えが聞けます.私はそういう子供の答えを聞き,真剣な子供の顔を見るのが大好きです.

そうやっているうちに,今度は「なぜなに」攻撃が始まります.これは私でも閉口してしまうのですが,面倒になったら「なんでなんだろうね?」と質問返しをすると会話が弾むので便利です.大人から「なんで?」と質問されなれていないと最初は戸惑いますが,考えを手伝ってあげているとそのうち,どんどん子供からアイデアが出てきて,答えを自分で持ってきてくれます.

結局私は子供と遊んでいるんじゃなくて,話を聞いてあげているだけです.もっと言うと,子供の感性豊かな答えを楽しんでいるだけです.

子供に自分の考えを話させてあげることは,その子の成長を考えるとき,とても大切なことだと思いますし,成長の肥やしになると思います.こんなに大切なことなのに,またたったこれだけのことなのに,子供の話を聞いてくれる大人は少ないようです.自分がどれだけ大人の世界で決めたことを知っているかを自慢したい大人はたくさんいるようですけれど.

もっと子供たちの話を聞いてあげて欲しいと思います.

2008年5月16日金曜日

5月の配本 - 童話館ぶっくくらぶ(小さいくるみ・小さいいちごコース)

ないているこ だあれ (にしまきかやこ あかちゃんの本)先週の金曜日,童話館ぶっくくらぶから 5 月の配本が到着しました.長女には「小さいくるみコース」から,次女には「小さいいちごコース」から1冊ずつ配本されます.さて,今月の配本は...

2008年5月13日火曜日

子供は3歳までに一生分の親孝行をする

タイトルどおり,「子供は3歳までに一生分の親孝行をする」そうです.長女の出産前後,そのようなことを妻から聞きました.
  • 無事,健康に生まれてきてくれて
  • たくさんの笑顔を与えてくれて
  • 愛らしい姿を見せてくれて
  • 「おかあさん,おとうさん」と言ってくれて
  • たくさん甘えてくれて
  • 3歳までに無事に育ってくれて
これ以上の親孝行はありません.一生分の親孝行をしてしまうそうです.そしてそれからは親が子供に恩を返してあげないといけないと聞きました.「3歳までに親孝行をする」というのは結構有名な話のようですね,インターネットに検索をかけるとたくさんのページがヒットしました.

その話を聞いたとき妙に納得感があり,私の頭の中には常にそれがありました.初めての子育てに苦労してイライラが溜まっても,こんな大変な状態はいつまで続くんだろうと思っても,「でも今,親孝行してもらっているな」と感じながら毎日を過ごしていました.そして,子供が3歳を過ぎたとき,自分は子供に何をしてあげられるだろうとも思っていました.

そして,長女は今年の秋で4歳になります.彼女は3歳半で反抗期の真っ只中.2,3ヶ月ほど前から私と妻のストレスも溜まりまくり,疲れ果て,このブログの更新もなくなりました.気がつくと子供に「叱る」よりも「怒る」状態になっていることもありました.

長女は成長し,幼稚園にも行くようになり,自分がしたい衝動と周りのみんなへの配慮の間でストレスを抱え,上手く伝えられないことをもどかしく思ったり,彼女なりの論理を作り上げたりしているところです.そこで叱ったり,諭したり,話し合ったりしながら彼女の成長を見守ってあげないといけません.今こそ私達が子供に親孝行の恩を返してあげないといけません.でもついつい感情に左右され怒ることもしばしばです.恩返しどころか親の責任すら全うできていません.

私は恩を子供に返すことが出来るでしょうか.「まだまだ親になれていないな」そんな反省をしている毎日です.

2008年5月10日土曜日

[絵本レビュー] ねないこだれだ

starsちょっとズルイ手ですが,効果はてきめんです
ねないこだれだ (いやだいやだの絵本 4)ねないこだれだ (いやだいやだの絵本 4)
せな けいこ
福音館書店, 1969年11月
3 歳の長女は反抗期の真っ最中です.寝る時間になっても「まだ遊ぶ」とか「もうちょっと本読む」とか言って寝ようとしないし,私が寝る仕度をどんどんしてしまうと,かんしゃくを起こしたりします.

そんな長女に効果てきめんだったのがこの本です.この本は,9 時になっても寝ずに遊んでいる子が,おばけにおばけの世界に連れて行かれちゃうお話.裏表紙には,夜の空をおばけに手を引かれてゆく子供が描かれてあります.めでたしめでたしで終わりません.

半年ほど前に童話館ぶっくくらぶで配本された次女の本ですが,まだ遊ぶと言った長女に読み聞かせました.その後,「お化けの時間になったから,もう寝ようか? ほらおばけの音が聞こえるよ」と言うと,「うん」とにっこりお返事.

「ほう,ちょっと気にしているな」と思いながら,一緒に布団に入りました.するとしばらくすると,か細い泣き声がしました.なんと長女が半泣きになって,涙を流しています.どうやらマンションの上の階の足音を,おばけの来た音と思い,怖くて泣いていたようです.ちょっとかわいそうなことをしてしまいましたが,次の日から比較的おとなしく寝るようになりました.

このようなズルイ手は好きではありませんが,このような絵本の威力を改めて感じたしだいです.

2008年4月3日木曜日

[おくやみ] 石井桃子さん死去

ゆかいなかえる「ノンちゃん雲に乗る」の石井桃子さんが亡くなられたそうです.石井さんは「クマのプーさん」や「うさこちゃん」の翻訳でも知られていますね.私はプーさんの本を持っていて,しょっちゅう読んでいたのを覚えています.

我が家の娘達の間では,ゆかいなかえるが人気.長女は図書館で借りてきたあくたれラルフがお気に入りで,私は何度も何度も読まされました.どちらも石井さんの翻訳です.

そんな石井さんの悲報を今日の朝のニュースで知りました.それは NHK ニュースだったのですが,お元気だった頃の石井さんが絵本についてお話されているところがありました.

言い回しは忘れてしまいましたが,石井さんのお話の要旨は「子供の頃にたくさんの本に触れましょう.たくさんの本に触れると自分の好きな事,興味のある事がわかってきます.それが自分の肥やしになります」ということでした.言葉にあまりに重みがあり,私はすっかりお話にうたれてしまいました.それで言葉の細かいところや,あろうことか本当にこんな事おっしゃっていたっけと思うほど内容を忘れてしまいました.(間違いがある場合は,100% 私の責任です)

すばらしいお話です.大人が子供に接する時,「これがいい本です.子供はこれを読みなさい」となりがちですが,そうではなく「自分の好きな事を探しなさい」とされている事にとても共感しました.

石井さんのお話がもっと聞きたかった.そんな風に思いました.

ご冥福をお祈り申し上げます.

2008年2月17日日曜日

マーガレット・ワイズ・ブラウンさんとクレメント・ハードさんの 3 部作

おやすみなさいおつきさまマーガレット・ワイズ・ブラウンさんの絵本に興味を持ち始めました.

2 月の童話館からの配本に「ぼくにげちゃうよ」が入っていて,既に持っていた「おやすみなさいおつきさま」をあわせると我が家の本棚にはブラウンさんの本が 2 冊あります.どちらも,絵はクレメント・ハードさん.実はこのお二人による絵本は全部で 3 冊あって,もうひとつは,「ぼくのせかいをひとまわり」という本です.全てうさぎの親子がお話の主役の,寝る前に読みたくなるような絵本です.

ぼくにげちゃうよわたしが一番好きなのは,「ぼくにげちゃうよ」.お母さんうさぎの子供への愛情とやさしい語り口調が寝る前のゆっくりとした時間におすすめの絵本です.母親に見守られているような温かい気持ちになれますし,読んでいると子を思う母親のやさしい気持ちが私にも伝わり,私もゆったりとした気分になれます.

個々の絵本のレビューはまたの機会にして,今日はこの 3 つの絵本に入れられた”仕掛け”について書きます.この絵本には全て額に入った壁かけの絵が登場しますが,「おやすみなさいおつきさま」と「ぼくのせかいをひとまわり」に登場するうさぎがつりをする絵は,「ぼくにげちゃうよ」のワンシーンです.

ぼくのせかいをひとまわりまた,「おやすみなさい おつきさま」と「ぼくにげちゃうよ」には,どちらにも”おつきさまをとび越すうしさんの絵”という妙な絵が登場します.

長女は,1つの絵本を読んでいると「あれ? これあの本にもあったよ!」と言って,別の本を持ってくるのが大好きです.図書館で「ぼくのせかいをひとまわり」を読んだ時は「ぼくにげちゃうよ」を抱えてきて”例の釣りシーン”を見比べて楽しんでいました.こんな遊び心のある絵本は楽しいですね.

「おやすみなさいおつきさま」はすこし暗い雰囲気の本なので,最初は怖がっていた長女も,こんな仕掛けのある絵本だと知ってから大好きな絵本に変わりました.

ところで,”おつきさまをとび越すうしさんの絵”というのは日本人にはなじみのないものですが,イギリス伝承童歌,マザー・グースの "Hey Diddle Diddle" の一節からとった絵のようです.下記はその最初の 3 節です.ネコがバイオリンを弾き,メウシがおつきさまを飛び越したとあります.
Hey diddle diddle
the cat and the fiddle
the cow jumped over the moon.
英語圏ではよく知られているシーンという訳ですね.Karen's Whimsyというサイトに,Hey Diddle Diddle の絵がありました.参考になればと思います.

実はこの 3 冊には他にもいろいろな"仕掛け"があるのかもしれませんね.

2月の配本 - 童話館ぶっくくらぶ (小さいくるみ・小さいいちごコース)

ぼくにげちゃうよ先週の金曜日,童話館ぶっくくらぶから1月の配本が到着しました.長女には「小さいくるみコース」から,次女には「小さいいちごコース」から1冊ずつ配本されます.さて,今月の配本は...

2008年1月26日土曜日

絵本の本質って?

先ほどのブログで書こうと思いましたが,長くなるので分けました.

Amazon で,「100万回生きたねこ」の商品説明を見ていたときのことです.出版社/著者からの内容紹介の欄に次のような一節がありました.
これはひょっとすると大人のための絵本かもしれないが、真に大人のための絵本ならば、子供もまた楽しむことができよう。それが絵本というものの本質であるはずだ。
「え? 逆じゃないか?」と私は思いました.真に子供のための本ならば,大人も楽しむことが出来るの間違いじゃないかと思ったのです.実際に私はそのように思っています.この書評の全文を読んでいないので,変なことは言えませんが,とてもおかしなことだと思います.

大人は,「子供に常識を足して制限を加えた生き物」だと,私は思っています.常識の範囲内では大人が子供を勝っていても,全体を考えれば大人は子供に劣っていると思います.そう思っている私は,先の書評の内容が理解できません.子供にためになることは大人にもそうだろうけれど,大人にためになることが必ずしも子供にもそうだろうとは限らないと思っているからです.大人のためになることは,常識や慣習に基づいたことが多いですからね.でも,子供にはそれは制限でしかありません.楽しめるはずはないでしょう.

もし,考えの中心を我々の思う常識に置くと,書評の内容は納得感があります.ただしそのとき,「(大人のための本は)子供も楽しめる」というよりは,「子供にこれが楽しめる (ことだ)」と常識を教えるものが絵本であると,なるんじゃないでしょうか.それは大人のエゴです.

......私の曲がった解釈なら申し訳なく思います.

でも,私が子供のときに感じた,「何でも知っていると思っている大人」の臭いが,この書評からしたのです.嫌な気分を思い出しました.

「100万回生きたねこ」に賛否両論あるようだ(1)---本を読む前に

100万回生きたねこ」という絵本があり,今とても気になっています.まだ,私は読んだことがありません.

ベストセラーになっている本だそうですが,この絵本には賛否両論があります.

まず,私の妻は子供の頃にこれを読み,あまり好きになれなかったそうです.妻の評価は低いです.ただし,インターネットで見ることが出来る読者レビューでは, おおむね高評価のようです.アマゾンのおすすめの星の数も 4.5 と高得点です.一方,我が家がお世話になっている童話館ぶっくくらぶは良い評価をしておらず,配本リストにもその名前はありません.しかし,この本は,全国学校図書館協議会選定図書にもなっていて「お墨付き」があります.

あまりにも評価にギャップがあるので,今度この絵本を読んでみようと思っています.できるだけフェアに評価したいので,今は書評を読むのも控えています.予備知識があると,その視点で見てしまいそうだからです(とは言え,もう十分知識がある気がしますが...).ぶっくくらぶから送られてくる冊子にも,過去にこの絵本の書評がありましたが,これもまだ読んでいません.

私が持つ今の情報だけで見ると,高評価の人は「大人が読んで感動する良い本だ」と言い,低評価の人は「子供向けではない」と言っているようです.実は反対のことを言っているわけではなく,評価の視点が違うような気がします.

この絵本を読んだ後,またブログを書いてみようと考えています.

08.09.04) タイトルが間違っていたなど,若干の校正をいれた.

2008年1月20日日曜日

1月の配本 - 童話館ぶっくくらぶ (小さいくるみ・小さいいちごコース)

三びきのやぎのがらがらどん―ノルウェーの昔話先週の金曜日,童話館ぶっくくらぶから1月の配本が到着しました.長女は「小さいくるみコース」に進級です.今月から,長女には「小さいくるみコース」から,次女には「小さいいちごコース」から1冊ずつ配本されます.さて,今月の配本は...
今月のヘビーローテーションは,「がらがらどん」に決まりのようです.本のレビューはまた今度.

2008年1月19日土曜日

幼児にオススメだと思う「のり」

最近,我が家の娘たちのお気に入りの遊びが,"折り紙を好きな形に切ってスケッチブックに貼ること" です.切った紙に絵を描いたりもします.たいていは顔を描いています.下は,今日の長女 (3歳) の作品.なんだかよくわかりませんが,どうぶつさん達だそうです.切り貯めしておいた紙をスケッチブックに一生懸命貼っておりました.

こんなブログじゃ,娘の作品自慢になってしまうので,今日は道具の紹介.我が家の娘達が使うのりは,TOMBO の「消えいろ Pit N」というスティックのりです.乾く前は青い色をしているのですが,乾くと透明になります.塗ったところがわかりやすいので,遊びやすいようです.手についたらすぐわかるので,すぐ濡れタオルで拭けるのも良いようです.

私も小さな頃から何かを作るのが大好きだったインドア幼児だったのですが,手を汚さずにのりを使うことが,いつも問題でした.ボトルタイプののりは,手が汚れやすいので,チューブに入っているのりを使っていましたが,それでも大きな範囲を塗るときはボール紙などの硬い紙を道具にのばしたりと,のりを使うこと自体が大変だったのを覚えています.手が汚れると細かい作業がしづらくなります.子供ながらに「もっといい道具はないのか」といつも思っていました.

スティックのりは手が汚れにくいですし,塗り伸ばすことも簡単なので,小さな子供にもオススメです.特に,こののりは塗ったところがわかるので使うのに苦労しません.作ること自体に集中できるので,楽しく遊ぶことが出来ます.

のりで苦労している小さなアーティストにオススメです(笑)

2008年1月15日火曜日

食育ブームってなんなんだろう

以前,食育や食育にまつわる活動に否定的な意見を書きました.それは今も変わっていません.今日,食育を軸にした営業戦略をとっているスーパーマーケットまであると聞きました.別に何をしようと構わないですが,ちょっとうんざりです.食育の話を聞く度に,どこかに「違和感」を感じます.

「○育」と呼ばれるものがどんどん出てきますが,そういう取り組みの中身は、昔から受け継がれたきたことがほとんどのように思います.食育も然りです.栄養バランスを考えるとか,行儀よくするだとか,農業について考えるとか.私の子供の頃は,「お百姓さん」の苦労を考えて残さず食べるとか言われたものですが,今は言わないんですかね.

そのような事が,形を変えて見直されるのは結構な事ですが,気になるのはブームのような今の動きです.ブームは去ります.しかし,去っていい事なのでしょうか.そしてもっと気になるのは,その○育が,まるで新しい取り組みであるような事になってしまっている現代社会です.

この「育」には「学ぶ」の要素も入っていると感じていますが,もし食「育」としてあえて活動しなければ学んでくれないなら,自分で学ぶことが社会に根付いていないのかもしれません.学びと生活が分かれてしまっていて,誰かから教えてもらわないと学べないし,育てられない,育たない......もしほんとうにそうだったら怖いなと思います.

参考)

2008年1月14日月曜日

[絵本レビュー] てぶくろ (エウゲーニー・M・ラチョフ)

stars何度も読んでいるうちに面白さがわかってくる
てぶくろ―ウクライナ民話てぶくろ―ウクライナ民話
エウゲーニー・M・ラチョフ うちだ りさこ
福音館書店, 1965年11月
この本は,絵が可愛いくはありません.見た目が派手でもありません.絵も(最近の好みを基準にするならば)暗いし,地味な本です.でも,お話が面白い本はやっぱり面白い.我が家の娘達にも人気のある「てぶくろ」です.

おじいさんが落とした手袋に,ネズミやカエル,ウサギ,最後にはクマまで,あわせて7匹の動物が次々に入っていきます.でも,おじいさんが落とした手袋を取りに戻り,おじいさんの犬が吼えると,みんな手袋から逃げていき,手袋は元のとおり.あんなに動物でギュウギュウで破れそうになっていた手袋なのに.一体どうしちゃったんでしょう.そんな不思議なお話.

次々に動物が現れては手袋に入っていく面白さと,あんなたくさんの動物が入った手袋がおじいさんの元に何事もなかったように戻る不思議さに,娘達は惹かれるようです.後味に不思議な感覚が残るこのお話は,読み重ねていくうちに面白さがわかるタイプの本ですね.