2008年2月17日日曜日

マーガレット・ワイズ・ブラウンさんとクレメント・ハードさんの 3 部作

おやすみなさいおつきさまマーガレット・ワイズ・ブラウンさんの絵本に興味を持ち始めました.

2 月の童話館からの配本に「ぼくにげちゃうよ」が入っていて,既に持っていた「おやすみなさいおつきさま」をあわせると我が家の本棚にはブラウンさんの本が 2 冊あります.どちらも,絵はクレメント・ハードさん.実はこのお二人による絵本は全部で 3 冊あって,もうひとつは,「ぼくのせかいをひとまわり」という本です.全てうさぎの親子がお話の主役の,寝る前に読みたくなるような絵本です.

ぼくにげちゃうよわたしが一番好きなのは,「ぼくにげちゃうよ」.お母さんうさぎの子供への愛情とやさしい語り口調が寝る前のゆっくりとした時間におすすめの絵本です.母親に見守られているような温かい気持ちになれますし,読んでいると子を思う母親のやさしい気持ちが私にも伝わり,私もゆったりとした気分になれます.

個々の絵本のレビューはまたの機会にして,今日はこの 3 つの絵本に入れられた”仕掛け”について書きます.この絵本には全て額に入った壁かけの絵が登場しますが,「おやすみなさいおつきさま」と「ぼくのせかいをひとまわり」に登場するうさぎがつりをする絵は,「ぼくにげちゃうよ」のワンシーンです.

ぼくのせかいをひとまわりまた,「おやすみなさい おつきさま」と「ぼくにげちゃうよ」には,どちらにも”おつきさまをとび越すうしさんの絵”という妙な絵が登場します.

長女は,1つの絵本を読んでいると「あれ? これあの本にもあったよ!」と言って,別の本を持ってくるのが大好きです.図書館で「ぼくのせかいをひとまわり」を読んだ時は「ぼくにげちゃうよ」を抱えてきて”例の釣りシーン”を見比べて楽しんでいました.こんな遊び心のある絵本は楽しいですね.

「おやすみなさいおつきさま」はすこし暗い雰囲気の本なので,最初は怖がっていた長女も,こんな仕掛けのある絵本だと知ってから大好きな絵本に変わりました.

ところで,”おつきさまをとび越すうしさんの絵”というのは日本人にはなじみのないものですが,イギリス伝承童歌,マザー・グースの "Hey Diddle Diddle" の一節からとった絵のようです.下記はその最初の 3 節です.ネコがバイオリンを弾き,メウシがおつきさまを飛び越したとあります.
Hey diddle diddle
the cat and the fiddle
the cow jumped over the moon.
英語圏ではよく知られているシーンという訳ですね.Karen's Whimsyというサイトに,Hey Diddle Diddle の絵がありました.参考になればと思います.

実はこの 3 冊には他にもいろいろな"仕掛け"があるのかもしれませんね.

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