2011年5月15日日曜日

[レビュー] イソップのおはなし(小出 正吾著,三好 碩也え)

★★★★お話の解釈は自分でする

イソップのおはなし
小出 正吾 (著)、
三好 碩也 (絵)
のら書店, 2010年11月

つい先日,小出 正吾さんの「いそっぷどうわ」の復刊が出ているのを,書店で発見しました。小出 正吾さんの「いそっぷどうわ」が私の実家にあって,娘達がその本を大好きなであることは,以前このブログでも書きました。それが,三好 碩也さんの絵もそのままで復刊されているということで,実家に以前の版があるのに,購入してしまいました。

この本の面白いところは,お話の最後にありがちな「教訓じみたひとこと」がないところです。小出さんは解説の中で,寓話は「人びとに道徳的な教訓を与えるもの」であり,「人生のさまざまな経験のなかで,ふと思い出されて,意外に強い指針となってくれる」と書いています。しかし,小出さんはお話の後に教訓を書くことをされませんでした。そのことについては,次のように書かれてあります。

この本では,そのような限定的な教訓をなるべく省いて,自由に解釈できるようにし,... (解説より)

私もこの方針に賛成します。教訓が書かれてあると「わかった気」になってしまいますが,なにも考えていないことがほとんどです。一方,そいういうものが書かれてないと,このお話は何が言いたかったんだろうと自然と考えます。読み聞かせしている場合,隣にいる子供達に「自分の考え」を自然と伝えます。子供達ももちろん「ウチはさ,こう思うよ」とか言いながら意見を出します。ときどき面白い意見が聞けて,感心することもあります。

当然,教訓が書かれてあるよりも頭を使うし,話をするのは面倒ですが,本は元来そういうものであると思います。また,自分の解釈が他人の解釈と違う時もあると思いますが,一緒な方が気持ち悪いと私は思います。

「えぇ!? 違うでしょ」と思われる方にはお薦めの本ではありませんが,「うん,うん。」と思われる方にはこの本をお薦めします。

2011年3月2日水曜日

園児に人気の我が家のおもちゃ達 - cuboro, HABA, Drei Magier

我が家の娘達は幼稚園児です。園児のお友達が遊びに来ることもあるのですが、妻によると我が家で人気のおもちゃのひとつがcuboro(キュボロ)だそうです。これは私の誕生日プレゼントに妻が買ってくれたものです。

cuboroをご存じない方は、cuboro fan さんのサイト、cuboroファンサイトを御覧ください。cuboroについての詳しい説明があり、実際の動きも動画で見ることができます。おすすめです。

要は、cuboro は写真のように溝や穴のあいた積み木を積み上げてコースを作り、そこにビー玉を転がして遊ぶ木のおもちゃです。こんな説明してしまうと、つまんなそうですが、これが本当に面白い。作ったコースによっては、ビー玉の動きが読めなくて意外な動きになります。

その意外性に、さらに創作意欲が刺激されて、つい夢中になってしまうんです。特に男の子には面白いようですね。「○○ちゃんちのおもちゃでまた遊びたい」と言っていたそうです。結構人気がある模様。(女の子の家なので、ヒーローモノのおもちゃがないのも一因だとおもいますが)

その cuboro が 25 周年だそうです。先のcuboro fan さんのサイトによると 25 周年を記念してのキュボロジュビリーというセットが発売されるとか。購買意欲がそそられます。いやいやその前にキュボロメトロかデュオか。


他の人気のおもちゃというと、HABA リトルゲーム ニャーニャーです。こちらは UNO みたいなものですね。カードがネコの絵になってたり、「UNO!」と叫ぶかわりに「ニャ~!」と言わなけれなならなかったり、勝ったらネコチップもらえたりするところが違います。面白そうでしょ?

こちらは、木のおもちゃ専門店で2年前に妻が衝動買いしたものです。これもお友達にウケが良いみたい。「ニャ~!」と言うのが結構面白いんですよ (笑

他には、園児に限らず大人のお客にも人気なのが、ドライマギア社すすめコブタくんです。一時期は、コブタのコマだけを別売りしていて、積み木として遊べて楽しかったのですが、今はコマだけは売っていない様子 (妻の友人が欲しくなって探したが見つからなかったそうです)。

こうみると、私達夫婦の趣味が色濃く出ているだけですね。キュボロは私のものだし、ニャーニャーは妻のものだし(苦笑。

おもちゃの品揃えが珍しいので、新鮮だから、喜んでくれているのかもしれませんね。

なんで、こんなとりとめのないブログを書いたかというと、先に紹介した cuboro fan さんのサイトの cuboro 動画をみて、「木のおもちゃはやっぱりイイなあ」と悶々とした思いを吐き出したかったからです(^^;

2011年2月21日月曜日

[絵本レビュー] よるとひる (マーガレット・ワイズ・ブラウン さく)

★★★★★落ち着きと安心をもらえます
よるとひる
マーガレット・ワイズ・ブラウン (さく)、
レナード・ワイスガード (絵)、
ほしかわ なつよ (訳)
童話館出版, 2009年1月
バカみたいな感想ですが、すごく魅力的な本です。この魅力はどこから来るのでしょう。素晴らしい作品の前に言葉を失いますが、ちょっと書いてみようと思います。

作者はマーガレット・ワイズ・ブラウンさん。他のブラウンさんの作品の中では「おやすみなさいおつきさま」「ぼくにげちゃうよ」が有名ですね。

初めて「よるとひる」を読んだ時、「おやすみなさいおつきさま」や「ぼくにげちゃうよ」を読んだ時と同じ印象をもちました。それは静かで落ち着いた感じです。明るく華やかな絵本と比べると、暗い感じさえあります。しかしそれは、恐怖の暗さではありません。なにかこう、母親と同じ布団に入り、その布団で包まれているような、安心を伴ったものなのです。陳腐な言葉しか浮かびませんが、「心のつながり」がお話の背景にあるとでも言いましょうか。だから、静かで落ち着いていられ、暗い印象さえあるのに安心感を持つのです。

「よるとひる」は、夜が好きな黒いネコと昼を好きな白いネコが主人公。夜を怖がる白いネコを黒いネコが夜の世界に誘います。白いネコは怖がりますが、黒いネコが白いネコを想う強い気持ちに白いネコだけじゃなく、読んでいる我々も安心させられます。

うちの長女(6)は、このお話が大好きです。それが私と同じように「心のつながりを伴った安心感」を感じるからなのかどうかは分かりません。でも、「なんかいいお話」とは感じているようです。

ぜひ、寝る前の本に選んでみてください。

2011年2月8日火曜日

[絵本レビュー] こんとあき (林明子 さく)

5 starsドキドキしながら祖父母の家にひとりで行ったことを思い出します
不審者がいるので小さな子供がひとりで外を出歩いてはいけませんと言われてどれくらい経つかわかりませんが、私の子供の頃は幼稚園児でもひとりで公園に行くし、小学生にもなれば親類の家にひとりで出かけたものでした。「こんとあき」は、そんな一昔前の子供の小旅行のドキドキを、「こん」というキツネのぬいぐるみにうまく映し出している素晴らしい作品だと私は思います。

作者は私の大好きな林明子さん。林さんの描かれる幼児期の女の子の絵は、近所に住んでいそうな女の子で親しみが持てますね。

女の子の名前は「あき」。あきが生まれた時から一緒にいるキツネぬいぐるみの「こん」は一番のお友達のようです。その「こん」の腕がほころびてしまったので、おばあちゃんの家に直してもらいに行くことにしました。小さな「あき」と「こん」の2人旅です。

小さな「あき」を「こん」がリードしながら旅が進みますが、「あき」と「こん」はいろいろな事に遭遇します。駅でお弁当を買いに出たら「こん」が座席に帰って来なかったり、ちょっと寄り道をした砂丘で「こん」が犬に連れて行かれたり...。最後は不安に打ち勝ちながら、「あき」は「こん」をおぶっておばあちゃんの家にたどり着きます。子供の頃の旅行は、ワクワクとドキドキと不安とがんばりと安心とが次々とやってくるものだと思いますが、まさにそのとおりのお話です。そして、到着したおばあちゃんの家では「あたたかさ」が待っています。それも私の子供の頃の経験と同じです。

うちの娘達は、「こん」と「あき」の冒険物語として読んでいると思いますが、私にとっては自分の子供の頃の昔話を読んでいる気分でいます。

「○○ちゃんも、あきみたいに一人でおばあちゃんの家に行ってみる?」と言いたいところですが、その言葉を安心して出せない今の環境に、寂しさを感じますね。

絵本の書評というより、私の気持ちになっていましました...。

追伸)
Amazon を覗いていみると、「こん」をおぶっておばあちゃんの家に到着するシーンを、大好きなぬいぐるみや人形からの卒業として捉えている人が少なくないですね。なるほど、そういう捉え方もあるのか。

2011年2月7日月曜日

エルマーとりゅう あいうえお かるた

昨年のお正月はエルマーのすごろくを買いましたが、今年はエルマーのかるたを買いました。その名も、「エルマーとりゅう あいうえお かるた 愛蔵版」。

仕事帰りにラゾーナ川崎の丸善に寄って見つけてきました。どこかでエルマーのかるたを見かけた覚えがあり、大きい書店に行けば分かるに違いないと思って、あてなく寄ったんのですが、買えてよかった。ネットで検索かけてみると、ネットのオンラインショップでは扱っていなかったり、在庫がなかったりするようです。先に検索などしてたら、購入を諦めたかもしれません。行きゃあわかるだろ、という楽観的な性格の勝利ですね ^^)

家で買った初めてのかるたという珍しさも手伝い、エルマーとりゅうの大好きな我が家の面々(長女(6)、次女(4)、私達夫婦)は飽きずに何度も何度も遊びました。

大人の私が言うのも変ですが、結構面白いかるただと思います。

中身は写真から察せられるとおり、エルマー3部作の有名な登場人物(?)や場面が登場するのですが、それだけではありません。同じような札が2枚ある---例えば、サイが出る札が2枚ある---などのゲームを面白くする工夫があります。

「お手つきなし」のルールでやりましたが、娘達、とくに次女はそれにまんまと引っかかって、「これじゃなかった!」と盛り上がりました。

かるたなんて面白いかな。。。と思っていましたが、楽しませてくれました。

2011年1月10日月曜日

[絵本レビュー]としょかんライオン(ミシェル・ヌードセン 著)

4 stars近所の図書館にもライオンがきたらいいのにな
タイトルと表紙の通り、図書館にいるライオンのお話です。「図書館にライオンがいたら楽しいだろうな」「やさしいライオンだといいな」「ライオンも絵本を読むのかな?」---つい空想したくなりますよね。この絵本はそんな空想を決してしぼませない楽しい絵本です。

このライオンは荒々しいライオンではありません。図書館の決まりごとをキチンと守り、図書館にきた人たちのお手伝いもしてくれます。もちろん、”おはなしのじかん”には子供たちとお話を聞きます。ライオンは強くて優しくて大きく、誰でも”寄りかかりたくなる”ような存在です。

うちの近所の図書館にもこんなライオンがいたらいいのになぁ...そんな風に思います。もちろん、ありえないんことなのですけれど、この絵本はそんな楽しい空想をさせてくれる本なのです。

さて、このお話の大事なテーマに「きまり」があります。としょかんライオンも「きまり」を守るのですが、ある大事なことを伝えるために「きまり」を破ります。その後、ライオンがいなくなるという事件が起き、最後にはハッピーエンド。こう締めくくります。--- たまには、ちゃんとしたわけがあって、きまりをまもれないことだって あるんです(本文より)。おはなしを通して「きまり」というのが、大事な要素になっているのです。

ただ私は、「きまり」は大事なテーマの1つではありますが、「きまりをまもる」だの「きまりをまもれないことだってある」だの難しいことを考えずに、このお話と一緒に空想でき、おはなしを楽しめたら、それでいいじゃないのかなと思います。

厚生省のなんとか審議会に推薦されていたり、買ったときの帯には「きまり」のことが書いてあったりするのと考えると、学校の道徳教育の材料として捉えたい大人がいるのかもしれませんけど、そんな風に言われら興ざめするよなと思います。上手に「きまり」をテーマにしてあり、空想したくなるお話に仕上がっているのだから、解釈は子供たちにまかせてあげて欲しい。どうか学校で読書感想文なんて書かさせないで欲しい。そう思います。