2009年5月24日日曜日

[絵本レビュー] おちゃのじかんにきたとら(ジュディス カー 著)

5 starsやさしいお母さんと,頼もしいお父さんから安心をもらって下さい
おちゃのじかんにきたとらおちゃのじかんにきたとら
ジュディス・カー
童話館出版, 改訂新版 1994年9月
私の妻が大好きな絵本です。おなじく うちの娘達もこの本が好きです。寝る前の読み聞かせでもよく登場する絵本の1つになっています。

有名な絵本なので,お話を知っている方も多いでしょう。主人公のソフィーがお母さんとお茶の時間 (Afternoon Tea) にしようとしたとき,トラがやってきます。そして,家中の食べ物という食べ物を食べ尽くし,飲み物という飲み物を飲み尽くしちゃうお話です。突然トラがやって来て,家中のものをぜんぶ食べ (飲み) つくしてしまうという不思議な展開のストーリーが面白く,惹きつけられます。

でも,この本の魅力は面白いストーリーだけではありません。それは,ソフィーのお母さんと,お話の後半に登場するお父さんです。

ソフィーのお母さんは,とても優しいお母さんとして描かれています。突然やって来たトラをお茶に迎え入れ,トラに食べ物や飲み物を勧めます。そして,家中の食べ物を食べてしまったトラにもんくも言わずソフィーと一緒に手を振って見送ります。背もあまり高くなく,親しみやすい印象です。うちの娘達などは,「ソフィーのお姉ちゃんなんじゃない?」と言っているくらいです。

一方,ソフィーのお父さんは,頼りがいのあるお父さんとして描かれてあります。背も高く,落ち着いています。ゆうごはんの材料までトラに食べられてしまって,困っているお母さんの話を聞いて,こう言います。
「おとうさんに まかせなさい。いいかんがえがあるよ。
コートをきて,レストランへいこう。」
頼もしい言葉ですね。そして3人は,ソーセージとフライドポテトとアイスクリームつきの夕食で幸せなひとときを過ごします。

私は,この両親がこの絵本を魅力的にしていると思っています。この両親のおかげで読んでいて安心感を持つことができ,トラの面白さや,食卓に出てくる食べ物の魅力をさらに引き出しているように感じるからです。

大人も読んでみて下さい。ソフィーの両親から安心をもらうことができるはずです。

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