2008年1月26日土曜日

絵本の本質って?

先ほどのブログで書こうと思いましたが,長くなるので分けました.

Amazon で,「100万回生きたねこ」の商品説明を見ていたときのことです.出版社/著者からの内容紹介の欄に次のような一節がありました.
これはひょっとすると大人のための絵本かもしれないが、真に大人のための絵本ならば、子供もまた楽しむことができよう。それが絵本というものの本質であるはずだ。
「え? 逆じゃないか?」と私は思いました.真に子供のための本ならば,大人も楽しむことが出来るの間違いじゃないかと思ったのです.実際に私はそのように思っています.この書評の全文を読んでいないので,変なことは言えませんが,とてもおかしなことだと思います.

大人は,「子供に常識を足して制限を加えた生き物」だと,私は思っています.常識の範囲内では大人が子供を勝っていても,全体を考えれば大人は子供に劣っていると思います.そう思っている私は,先の書評の内容が理解できません.子供にためになることは大人にもそうだろうけれど,大人にためになることが必ずしも子供にもそうだろうとは限らないと思っているからです.大人のためになることは,常識や慣習に基づいたことが多いですからね.でも,子供にはそれは制限でしかありません.楽しめるはずはないでしょう.

もし,考えの中心を我々の思う常識に置くと,書評の内容は納得感があります.ただしそのとき,「(大人のための本は)子供も楽しめる」というよりは,「子供にこれが楽しめる (ことだ)」と常識を教えるものが絵本であると,なるんじゃないでしょうか.それは大人のエゴです.

......私の曲がった解釈なら申し訳なく思います.

でも,私が子供のときに感じた,「何でも知っていると思っている大人」の臭いが,この書評からしたのです.嫌な気分を思い出しました.

「100万回生きたねこ」に賛否両論あるようだ(1)---本を読む前に

100万回生きたねこ」という絵本があり,今とても気になっています.まだ,私は読んだことがありません.

ベストセラーになっている本だそうですが,この絵本には賛否両論があります.

まず,私の妻は子供の頃にこれを読み,あまり好きになれなかったそうです.妻の評価は低いです.ただし,インターネットで見ることが出来る読者レビューでは, おおむね高評価のようです.アマゾンのおすすめの星の数も 4.5 と高得点です.一方,我が家がお世話になっている童話館ぶっくくらぶは良い評価をしておらず,配本リストにもその名前はありません.しかし,この本は,全国学校図書館協議会選定図書にもなっていて「お墨付き」があります.

あまりにも評価にギャップがあるので,今度この絵本を読んでみようと思っています.できるだけフェアに評価したいので,今は書評を読むのも控えています.予備知識があると,その視点で見てしまいそうだからです(とは言え,もう十分知識がある気がしますが...).ぶっくくらぶから送られてくる冊子にも,過去にこの絵本の書評がありましたが,これもまだ読んでいません.

私が持つ今の情報だけで見ると,高評価の人は「大人が読んで感動する良い本だ」と言い,低評価の人は「子供向けではない」と言っているようです.実は反対のことを言っているわけではなく,評価の視点が違うような気がします.

この絵本を読んだ後,またブログを書いてみようと考えています.

08.09.04) タイトルが間違っていたなど,若干の校正をいれた.

2008年1月20日日曜日

1月の配本 - 童話館ぶっくくらぶ (小さいくるみ・小さいいちごコース)

三びきのやぎのがらがらどん―ノルウェーの昔話先週の金曜日,童話館ぶっくくらぶから1月の配本が到着しました.長女は「小さいくるみコース」に進級です.今月から,長女には「小さいくるみコース」から,次女には「小さいいちごコース」から1冊ずつ配本されます.さて,今月の配本は...
今月のヘビーローテーションは,「がらがらどん」に決まりのようです.本のレビューはまた今度.

2008年1月19日土曜日

幼児にオススメだと思う「のり」

最近,我が家の娘たちのお気に入りの遊びが,"折り紙を好きな形に切ってスケッチブックに貼ること" です.切った紙に絵を描いたりもします.たいていは顔を描いています.下は,今日の長女 (3歳) の作品.なんだかよくわかりませんが,どうぶつさん達だそうです.切り貯めしておいた紙をスケッチブックに一生懸命貼っておりました.

こんなブログじゃ,娘の作品自慢になってしまうので,今日は道具の紹介.我が家の娘達が使うのりは,TOMBO の「消えいろ Pit N」というスティックのりです.乾く前は青い色をしているのですが,乾くと透明になります.塗ったところがわかりやすいので,遊びやすいようです.手についたらすぐわかるので,すぐ濡れタオルで拭けるのも良いようです.

私も小さな頃から何かを作るのが大好きだったインドア幼児だったのですが,手を汚さずにのりを使うことが,いつも問題でした.ボトルタイプののりは,手が汚れやすいので,チューブに入っているのりを使っていましたが,それでも大きな範囲を塗るときはボール紙などの硬い紙を道具にのばしたりと,のりを使うこと自体が大変だったのを覚えています.手が汚れると細かい作業がしづらくなります.子供ながらに「もっといい道具はないのか」といつも思っていました.

スティックのりは手が汚れにくいですし,塗り伸ばすことも簡単なので,小さな子供にもオススメです.特に,こののりは塗ったところがわかるので使うのに苦労しません.作ること自体に集中できるので,楽しく遊ぶことが出来ます.

のりで苦労している小さなアーティストにオススメです(笑)

2008年1月15日火曜日

食育ブームってなんなんだろう

以前,食育や食育にまつわる活動に否定的な意見を書きました.それは今も変わっていません.今日,食育を軸にした営業戦略をとっているスーパーマーケットまであると聞きました.別に何をしようと構わないですが,ちょっとうんざりです.食育の話を聞く度に,どこかに「違和感」を感じます.

「○育」と呼ばれるものがどんどん出てきますが,そういう取り組みの中身は、昔から受け継がれたきたことがほとんどのように思います.食育も然りです.栄養バランスを考えるとか,行儀よくするだとか,農業について考えるとか.私の子供の頃は,「お百姓さん」の苦労を考えて残さず食べるとか言われたものですが,今は言わないんですかね.

そのような事が,形を変えて見直されるのは結構な事ですが,気になるのはブームのような今の動きです.ブームは去ります.しかし,去っていい事なのでしょうか.そしてもっと気になるのは,その○育が,まるで新しい取り組みであるような事になってしまっている現代社会です.

この「育」には「学ぶ」の要素も入っていると感じていますが,もし食「育」としてあえて活動しなければ学んでくれないなら,自分で学ぶことが社会に根付いていないのかもしれません.学びと生活が分かれてしまっていて,誰かから教えてもらわないと学べないし,育てられない,育たない......もしほんとうにそうだったら怖いなと思います.

参考)

2008年1月14日月曜日

[絵本レビュー] てぶくろ (エウゲーニー・M・ラチョフ)

stars何度も読んでいるうちに面白さがわかってくる
てぶくろ―ウクライナ民話てぶくろ―ウクライナ民話
エウゲーニー・M・ラチョフ うちだ りさこ
福音館書店, 1965年11月
この本は,絵が可愛いくはありません.見た目が派手でもありません.絵も(最近の好みを基準にするならば)暗いし,地味な本です.でも,お話が面白い本はやっぱり面白い.我が家の娘達にも人気のある「てぶくろ」です.

おじいさんが落とした手袋に,ネズミやカエル,ウサギ,最後にはクマまで,あわせて7匹の動物が次々に入っていきます.でも,おじいさんが落とした手袋を取りに戻り,おじいさんの犬が吼えると,みんな手袋から逃げていき,手袋は元のとおり.あんなに動物でギュウギュウで破れそうになっていた手袋なのに.一体どうしちゃったんでしょう.そんな不思議なお話.

次々に動物が現れては手袋に入っていく面白さと,あんなたくさんの動物が入った手袋がおじいさんの元に何事もなかったように戻る不思議さに,娘達は惹かれるようです.後味に不思議な感覚が残るこのお話は,読み重ねていくうちに面白さがわかるタイプの本ですね.

2008年1月13日日曜日

子供と作る簡単ホットケーキ

しろくまちゃんのほっとけーきのレビューでも書いたとおり,妻と娘達は最近,ホットケーキを作っているそうです.昨日,私も娘とはじめてホットケーキを作りました.大変おいしかったので,その紹介.

私は,甘いものがとてもとても苦手な辛党男ですが,このレシピは,簡単でとてもおいしいです.市販のホットケーキミックスで作ったホットケーキも以前に食べたこともありましたが,それよりもずっとおいしい.ふわっとしているし,バターの風味がとても良かったです.作り方も簡単なので,娘達 (3 歳, 1 歳) とも作れます.

○ホットケーキの作り方
材料
  • 薄力粉 160g
  • ベーキングパウダー 小さじ 2
  • 砂糖 60g
  • 牛乳 1/2 カップ
  • 卵 2 個
  • 溶かしバター 40g
  • バニラエッセンス 少々
つくりかた
  1. 薄力粉とベーキングパウダーをふるいにかける.必ずふるうこと!
  2. 卵,牛乳を混ぜ,薄力粉,砂糖,ベーキングパウダーを少しずつ入れてまぜます.溶かしバター,バニラエッセンスも入れて,生地の出来上がり.こぐまちゃんの絵本を見ながら,「小麦粉,おさとう,ふくらしこ」と言いながら,子供に混ぜてもらいます.
  3. 生地をフライパンで弱火でじっくり焼きます.
参考にしたのは,「手作りの味」ホットケーキというページ.もちろん,作るときは,しろくまちゃんのほっとけーきを手元において,それを娘と見ながら作ります.これも絵本の楽しみ方のひとつですね.

[絵本レビュー] しろくまちゃんのほっとけーき (わかやま けん)

stars娘のホットケーキのレシピ本です
昨年の8月にぶっくくらぶから届いた本です.

長女3歳,次女1歳.どちらもこの絵本がすぐに好きになり,その月のヘビーローテーションになりました.ホットケーキの焼けるところのページに,とても興味をそそられるようです.長女は食べることが大好きな「花より団子」娘ですし,お手伝いをすることが大好きなので,しろくまちゃんがおかあさんと一緒にホットケーキを作るこのお話はぴったりのようですね.

今では妻とホットケーキを作っています.もちろん,この絵本を横において.材料をそろえるとき,生地を混ぜるとき,焼くとき,この絵本を見ます.この絵本は長女のレシピになっています.

2008年1月7日月曜日

[絵本レビュー] おいていかないで (筒井頼子さく,林明子え)

stars1歳の妹のいる,3歳の長女にも受けています.

この本は,あの手この手でこっそりひとりで外に遊びに行こうとするお兄ちゃんと,ついて行きたい妹とのお話.なんとかついて行こうとする妹がとてもかわいい.とうとう最後には,お兄ちゃんもあきらめて,一緒に虫取りに行くことになります.

お話はここで終わりますが,最後のページや背表紙に,お兄ちゃんが妹にトンボを採ってあげている絵があります.これがとてもかわいい.兄と妹の兄弟愛を感じ,ニコニコしてしまいます.この2つの絵があるために,お話に奥行きが生まれ,その後の兄と妹のことまで想像してしまいます.

1歳の妹のいる,3歳の長女も大好きな絵本です.

hReview by rerun, 2008/01/07

photo
おいていかないで (幼児絵本シリーズ)
筒井 頼子 さく,林 明子 え
福音館書店 1988-01

2008年1月6日日曜日

絵本選びはやっぱり難しい

先日,本屋さんで絵本を選んでみて,やっぱり絵本選びの難しさを再確認しました.

難しい理由は 2 つありそうです.まず第 1 に,そもそも,他人に本を選んであげるのは難しいということです.人それぞれ好みがありますから,相手の好みや読むところを想像しながら買うことになります.これはとても難しい.

第 2 に,大人の「ものさし」を捨てるのがとても難しいことです.大人は常識と呼ばれている勝手な「ものさし」をたよりに生きています.でも,私の娘達のような幼児には,そのものさしはありません.子供自身が持つ感性そのままで絵本を評価します.その感性を酌んであげるのがとても難しく思います.

突き詰めて考えると,この 2 番めの理由も,1 番めの理由と結局は同じで,「プレゼントする子供のことを考えて買え!」ということにもなってしまいそうです.でも,良い絵画・音楽を小さい頃から触れさせてあげたいのと同じ理由で,良い絵本を与えてあげたいという親側の意向もあります.

だらだら書いてしまいました.

子供には,どうしても親の意向を押し付けてしまいますが (子育てとは結局そのような側面があります),大事なのは子供の視点です.自分 (親) のコピーを作っても仕方がありません.育てるべきは,子供の能力ですから.親は環境づくりに徹しなくてはいけないのかもしれません.

子育てをしていると,本当に勉強になりますね.

2008年1月3日木曜日

じいちゃんから絵本のお年玉

あさえとちいさいいもうとお正月に大阪へ里帰りをしているときのこと.

父親が,娘を連れて絵本を買いに行きたいというので,父,母,長女 (3歳) と私の4人でイオンモール鶴見リーファにある本屋さんへ.次女は微熱を出していたので,妻と2人でお留守番です.

意外にもちゃんとした児童書が充実してあったので(本屋さんに怒られそう...),娘と絵本をあれこれ物色しました.絵本なんて選んだことのない父親が,「これどうや!」と次々に持ってくる対象年齢のずれた本や,ものすごい飛び出す絵本を,私が軽くあしらいながら(笑),長女に何とか絵本を1冊選んでもらいました.というのも,彼女は選択肢が数多くあると,困ってしまってヒューズが飛んでしまいます.私の仕事は,彼女を落ち着かせてあげることです.

絵本を何冊か探して並べてあげたり,絞ってあげたりします.彼女なりにあの本この本と悩んだあげく,最後に選んだのは,筒井頼子さん,林明子さんの「おいていかないで」でした.おにいちゃんを慕う妹のほほえましい1冊です.

私は次女用に,五味太郎さんのばったくんを選択.加えて,私と妻用に(もちろん子供たちとも読みますが ^^),同じく林明子さんの絵がかわいいあさえとちいさいいもうとを選びました.

父はやっぱり自分でも絵本を選びたかったのか,上記3冊に自分で選んだミッフィーのどうぶつえんを加え,レジに並んでおりました.

父は,その後トイざラスにも行きたかったようですが,人ごみが苦手な上に,絵本が早く読みたいのと,眠くなってしまったのが重なり,娘がギブアップ気味だったので,早々に帰宅.帰って,みんなで楽しく読みました.「あさえとちいさいいもうと」が娘達にも一番の人気でした.ありがとうじいちゃん.

でも,いつも言うけれど,帰ってきて TV なんか見ずに,一緒に遊んであげればいいのに.