2007年9月19日水曜日

算数に「台形の面積」,「小数点第二位」を再び盛り込む

文部科学省の中央教育審議会の専門部会が,昨日,算数に「台形の面積」や「小数点第二位」を再び指導要領に盛り込むことを了承したようですね.

私もその方が良いと思っています.ですが,別に私はいわゆる「ゆとり教育」がいけないとも思わないし,台形の面積を求めること自身が大事であるとも思っていません.

ただし,小さいときから頭を訓練することはとても大事だと思います.ゆとりの名の下にカリキュラムが易しくなり,数学的な訓練を怠ることは,とても問題だと思います.若いときのトレーニングは運動にしたって,勉強にしたってとても大事ですもんね.

興味深いのは,英才教育だといって幼いときから英語や芸術には目を向けるのに,数学などの理数分野は毛嫌いされる傾向にあることです.技術大国に育っているはずなのに.

さらに面白いのは,大人になって,技術の塊の携帯ゲーム機で脳のトレーニングをしていることです.

やっていることがバラバラです.結局のところ,私たちは「なんで勉強しているか」ということを大人になっても理解できていないんじゃないでしょうか.「台形の面積」の話になると,「社会に出て台形の面積を求めることなんてない」と的外れなことを言う人がいますが,それなら「ピテカントロプス」なんて社会で役に立ったことなんて一度もありません.同じ理屈でやめるべきです.

でも,そうじゃありません.算数や数学の問題を解くことで,私たちは数学的な考えができるようにトレーニングしているんです.時には背伸びをしたトレーニングも必要です.私はそう思います.

最後に,数学を学ぶことは,抽象化能力や論理力を鍛えることでもあります.その点で日本の教育は完全に失敗しています.数学が「読み・書き・そろばん」のそろばん程度の理解でしかない人がほとんどだと思います.

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