2006年4月19日水曜日

絵本を選ぶ難しさ

我が家は、童話館ぶっくくらぶに入っているので、子供に毎月2冊の絵本が長崎から送られてきます。他人に本を選んであげるのは難しいですが、子供...0〜1 歳児...に絵本を選んであげるのはもっと難しいです。童話館では、絵本を選ぶ選任スタッフが子供の年齢とその子の好みに合わせた配本リストを作ってくださるということだったので、入会したのですが、そこで私は、絵本を選ぶ難しさと、我々大人がいかに固定観念に縛られているかを再認識する事になります。

子供に絵本を買ってあげようと思うとき、どうしても「かわいい」絵本を買ってあげたくなります。その「かわいい」っていうのはたいていデフォルメした動物だったりします。ですが、0〜1 歳児っていうのは、デフォルメする前の動物すら知らないのです。つまり、そこに書いてある「なにか」がわからない状態です。「ぞう」自体がわからないのに、その「ぞう」がデフォルメされていて「かわいいな」って思うはずありません。そこには、やはり我々大人の思い込みがあると感じます。たとえ興味を持ったとしても、「かわいいぞうさん」とは思っていないのです。本物を知らないのですから。国によって「かわいい」の尺度が違うのも、子供の頃に「これがかわいいのだ」と教えられるからなんだとも思いました。

そういうことを感じているのは私だけではなさそうです。ぶっくくらぶからは、本と一緒に会報が送られてくるのですが、そこにはスタッフの方が 0 歳児用の本の選択に悩まれていることが書いてありました。そうか、専門のスタッフの人も悩んでいるんだなぁと絵本の難しさを痛感しました。

子供は本当にゼロの状態からスタートします。彼・彼女の頭にあるのは、自分と両親、そして、いつも使っているスプーンだったり、くつしただったり、そうじきだったり、ごくごく周囲のものに限られます。本当は、そういう日常の一部を切り取った絵本が欲しい。実際に読み聞かせをすると、0 歳の頃はそういう絵本の方が子供は喜びます。でも、なかなかそのような本は少ないようです。結局大人の尺度で子供が喜ぶだろうと思う本を作るからでしょうね。

子育てをしていると、子供からたくさんのことを教えてもらえます。子供に教えてもらった事を自分のモノにしてゆければなぁと思う毎日です。

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