2009年2月9日月曜日

[絵本レビュー] ゆうびんやのくまさん

5 starsくまさんの素朴な生活と勤勉な働きぶりが魅力
ゆうびんやのくまさん (世界傑作絵本シリーズ)ゆうびんやのくまさん (世界傑作絵本シリーズ)
フィービ ウォージントン, セルビ ウォージントン
福音館書店, 1987年05月
以前にも,このくまさんシリーズのレビューを書きましたが,今日はあのとき紹介出来なかった「ゆうびんやのくまさん」についてです。またまた図書館で借りてきました。

もちろんこの本は,くまの郵便屋さんのお話で,くまさんが起きてから寝るまでの生活が書いてあります。素朴な表現の文章に,やさしい挿絵がつき,くまさんの素朴な生活と勤勉な働きぶりをいっそう魅力的にみせてくれます。私は,局で郵便物を仕分けているときに,ほどけかかった小包を見つけ,つつみなおしてあげるくまさんが好きです。くまさんの仕事に対する誇りまで,感じてしまうのですが,言い過ぎでしょうか(笑

私はこのシリーズの絵本が大好きです。そして,どの絵本も最初の1ページと最後の1ページがお気に入りです。ゆうびんやのくまさんは次のように始まります。
あるところに,ゆうびんやのくまさんが,たったひとりですんでいました。くまさんは,バッジのついた ぼうしと,てがみや はがきをいれる かばんを もっていました。
なんて,無駄のない文章でしょうか。くまさんは他にも持っているものはたくさんあるでしょう。でも,バッジのついた帽子をかぶっているから,手紙やハガキを入れるかばんを持っているから「ゆうびんやさん」なのです。同じシリーズの他の絵本も同様の出だしで始まります。そして,くまさんが○○やさんであることがはっきりわかるように書かれてあります。こういう表現が,私を絵本の世界にあっという間に連れて行ってくれます。

大人向けの本だとこんな風にはなりません。働いている郵便局の大きさだとか,どんな人と一緒に働いているだとか,給料はどうだとか,そんなことが書かれます。でもこの本にはそんなこと書いていません。郵便物にスタンプを押すとき「バン バン バン!」って押すとか,配達した先の人はやさしいだろうかとかが書いてあります。この絵本はそういうことが気になる人向けの本です。そして,子供はそう言うことが気になるものです。

そして,最後の1ページはみんなおなじおわりかたです。
これが,ゆうびんやさんのくまさんのおはなしです。
そして,わたしはくまさんの生活がすっかりわかったような気になります。

わたしにとってこの本は,子供の頃の自分を思い出してくれる魔法の本です。

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