2009年9月14日月曜日

[絵本レビュー] だるまちゃんとてんぐちゃん(加古里子 さく)

5 starsすてきな言葉をかけられる人になりたい
だるまちゃんとてんぐちゃん(こどものとも絵本)だるまちゃんとてんぐちゃん
加古里子
福音館書店, 1967年11月
「だるまちゃんとてんぐちゃん」は 1967 年が初版。古くから子供達に愛されて来た絵本です。私も子供の頃に読んだ覚えがあります。本当のところはあまり覚えていなくて「そうか,こんなお話だったな」と思ったんですけれどね。

そんなうっすらとした記憶ですが,「だるまちゃんとてんぐちゃん」で覚えていたところがあります。そしてそれと私の娘達が興味を持つところが同じでした。おそらくこどもが興味を惹かれるところは同じなのでしょう。それは,いろんな道具がたくさん出てくるところです。うちわだったり,靴だったり,花だったり...見開きのページいっぱいにいろんな種類の○○が描いてあります。それらを 1 つづつ見ているだけでも楽しくなってきます。我が家の娘達も「わたしはこれがいい!」とワイワイ言いながらお気に入りのうちわや靴を指差しています。

そんな「だるまちゃんとてんぐちゃん」ですが,大人になって読んだら,全く別のところに「はっ」と思わされました。それは,てんぐちゃんのセリフです。てんぐちゃんはだるまちゃんに,とても優しい言葉をかけてあげていたのでした。

だるまちゃんは,てんぐちゃんが持っているてんぐのうちわや下駄が欲しくなって,おとうさんに同じようものが欲しいとねだります。そして,ちょっと違うんだけど,同じようなものを探して,同じような恰好になります。例えば下駄の代わりに「おもちゃのまな板」を履いちゃったりとか。面白いですね。子供の時はそこがいちばん面白かったのです。

でも,ここでてんぐちゃんの例のセリフがあります。だるまちゃんに「すてきな はきものだね」と言うのです。だるまちゃんは,とても嬉しくなります。

すばらしい言葉ですね。自分のまねをされて,しかもちょっと変なのに「すてきだね」って言える。わたしはすっかりてんぐちゃんが好きになりました。そして,じぶんはこんな言葉を人にかけてあげる...いや,自分の子供にかけてあげられているだろうか。そんな事を考えました。

多分私が,てんぐちゃんのことを覚えていなかったように,私の娘達もてんぐちゃんのセリフには気がついていないでしょう。でも,私がてんぐちゃんのように振る舞うことができます。そして,少しでもそんな「うれしくなる言葉」に触れ,娘達も誰かに自然に「うれしくなる言葉」をかけてあげるようになれば,私はうれしいな。そんなことを思いました。

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