2008年6月30日月曜日

絵は口ほどにモノを言う

絵ってすごいですよね.描いている時は特に気にしていなくても,どこかにその時の心理が出ているものです.

受験間近の中学3年生の美術の時間に,抽象画のようなものを描かされた事があったのですが,私はずいぶん暗い雰囲気の絵を描いていました.描いている時は明るい感じを出したかったんですけれどね.卒業する時に絵を返してもらい,その絵の暗さに驚いた事を今でも覚えています.受験前で不安だったんでしょうね.ちなみに,私の友人は,ピンクや赤をふんだんに使ったふわふわした絵を描いていました.友人には彼女が出来たばかりでした.(わかりやすい...)

さて,幼稚園の父の日会という行事に参加したときです.娘からお父さんの絵をプレゼントしてもらったのですが,隣のお友達のお父さんの絵に目が止まりました.その絵は画用紙に対して小さく,黒の単色で描かれてあり,単調でした.なぜだか少し気になった絵だったのですが,その子は大人しい子でしたから,絵も大人しいのかなと思って見過ごしていました.

数日後,妻から聞いたんですが,その子にはもうすぐ2人目の兄弟が生まれる予定で,(母親に甘えられないためか)幼稚園でも元気がなく,先生が心配してお家に電話してきたほどだったそうです.そのとき,父の日会での絵を思い出しました.

気になったのは絵から感じるその子の元気のなさだったのかもしれません.

絵にはその時の心理が出ると思っています.自分の娘達にも時々絵を描いてもらおうかな.そんな風にも思いました.ちなみに私のもらったお父さんの絵は,のびのある楽しい絵でした.よかった.

2008年6月29日日曜日

[絵本レビュー] いいきもち (ひぐち みちこ)

stars親子で笑顔になれる本
いいきもちいいきもち
ひぐち みちこ
こぐま社, 2004年03月
次女(まもなく2歳)が,今日の寝る前に読んでくれたのがこの本です.彼女は最近(長女がそのようにしているからか)私達に絵本を読んでくれます.もちろん字は読めないので,うろ覚えながら記憶しているフレーズを,思い出し思い出ししながらがんばって読み聞かせてくれます.

この本では,いろいろな植物や動物が「○○にだかれていいきもち」になっています.例えば,種が「土にだかれていいきもち」という具合です.もちろん「いいきもち」というフレーズが繰り返され,文章をうろ覚えの次女もそこはしっかり覚えています.読むのに私が助け舟を出していても,そのフレーズにくると満面の笑みで「いいきもち!」と一緒に言います.親子に一体感が生まれます.絵本を読んでいて楽しい瞬間ですね.

先ほど妻にそのことを話すと,妻と読んでいるときは「○○にだかれていいきもち」と言いながら,ムギューと抱き合うそうです.

読んで幸せな気持ちになれる本は大好きです.

2008年6月23日月曜日

[絵本レビュー] おしょうがつこびとのおはなし(まついのりこ さく)

stars月のお話をするきっかけになりそうです
先週に図書館へ行きましたが,そのときに次女が借りた本がこの本です.じゃあじゃあびりびりなどの本で有名な,まついのりこさんの本ですが,この本を見たとき,(失礼ながら)ずいぶんと地味な内容の本を選んだなぁと思いました.

お正月こびとが,リスとサルに凧を作ってもらい,それにのって川を越えてある家につきます.お正月こびとがその家の前で杖をまわすと,各月の小人が12人出てきて歌をうたう...そういうお話.

それだけなんですが,長女は出てきた12人の小人(1月小人,2月小人,...)が好きで,小人を指差しては「□月は○○の誕生日? △月は○○の誕生日?」というように月と家族の誕生日を確認しながら絵本を楽しんでいます.

数や月という概念自身が興味のある年頃ならではの楽しみ方ですね.

2008年6月21日土曜日

[絵本レビュー] いもうとのにゅういん(筒井 頼子 さく)

いもうとのにゅういん今日は典型的な梅雨の空模様.公園に遊びにも行けそうにもありません.しかたがないので,家族みんなで図書館に行きました.「しかたがない」とは言いつつもみんな本が大好きなので,図書館も大好き.今日もたくさんの絵本を読み漁りました.そのなかで私が勝手に決めた今日のいちばんを紹介します.「いもうとのにゅういん」です.

この絵本は,筒井頼子さん,林明子さんによる「あさえとちいさいいもうと」の続編で,あさえ・あや姉妹のものがたり.妹思いのあさえが,妹の緊急入院,父親との二人でのおるすばん等を期に,ひとまわり成長するというお話です.妹のお見舞いの時には,とても大事にしていた(そして妹のあやちゃんが欲しがっていた)お人形を,なんとあさえはプレゼントします.とても心温まるお話です.

あさえとちいさいいもうと長女は一度読んだ事がある本なのですが,今日も真剣に聞いていました.妹が入院することを母親から電話で聞かされたシーンとか,あさえの父親が会社から帰るまでひとりぼっちで淋しい思いをしているシーンとかは,まるで自分がそこにいるかのような顔をして真剣でした.きっとお話の中に入っていたんでしょうね.手術を無事に終えたあやちゃんがベットで笑っているのを見たときには,安心した様子でした.

長女にとってみれば自分にも歳の近い妹がいるので,あさえは自分を重ねあわせられる存在なのかもしれません.たしかに彼女は次女が生まれる時に,私(父親)と二人で食事したり寝たりしたので,同じような不安を感じていたのかもしれません.もちろん推測でしかありませんが.

ともかく,この絵本には引きつけられる何かがあります.私は,それは「面白い題材」「しっかりした筋」「きちんとした文章」だと思います.読み手を絵本の世界に引き込む力のある本ですね.

2008年6月12日木曜日

6月の配本 - 童話館ぶっくくらぶ(小さいくるみ・小さいいちごコース)

童話館ぶっくくらぶから 6 月の配本が到着しました.長女には「小さいくるみコース」から,次女には「小さいいちごコース」から1冊ずつ配本されます.さて,今月の配本は...ガンピーさんのドライブは,私の大好きなジョン・バーニンガムの絵本です.「これが犬なのか?」と思うような,(失礼を承知で言うと)ヘタクソな絵の動物が出てきます.しかし,やわかく優しい絵はお話の世界に誘ってくれるとても良い絵です.しばらく集中的に読まされそうな予感です.

2008年6月11日水曜日

子育て:最近の「自分も楽しむ」風潮は逆にストレスの原因になるんじゃ

我が家の娘達は3歳と1歳,かわいいですが手のかかる時期です.子育てしていると自分の子供と同年代の子供やその話題ばかりが聞こえてきますね.子供が生まれる前は,妊婦ばかりが目に付いていたのにほとんど見なくなりました.人間は関心があることだけ見えるのですね.不思議なものです.

だからでしょうか,テレビや新聞,インターネットなどの報道では,幼児の子育ての話題ばかりが目についています.

さて,そんな話題の中で「鼻についちゃう」のが,「お母さんも楽しむ○○」みたいなやつです.子育てに大変な親をターゲットに商機を見出そうと,いろんな商売が出てくるのは構いません.でも,そういうのって,逆にストレスの原因になることも多いんじゃないかと思っいて,あまり良い印象を持っていません.「楽して子育て」みたいな臭いがするのも気分が良くありません.

子育てを楽しむのは良いことです.それこそ歓迎すべきことだと思いますが,そのとき楽しむのはあくまで「子育て」です.「自分の楽しいと思うこと」をしながら子育てをすることは,それとは違います.

子供と公園で遊んだり,折り紙をしたり,ごっこ遊びをしたり,一緒に料理を楽しんだりすることは前者です.自分が遊びたいことややりたいことを,子供と一緒にするのは後者です.ちょっと乱暴なわけ方なので,異論もありだと思いますが...

ただ,最近の子育てに関する話題の中には後者の部類がとても多いように思い,違和感を感じています.

「自分がやりたいことを子供と一緒にしよう」と思うとき,子供を巻き込むことになるのですが,子供も人である以上,全て自分の思い通りにはなりません.そして,自分のやりたいことそのものが思い通りにならない時もあります.それは誰だってイライラするし,ストレスが溜まるでしょう.そして,そうなりがちだとも思っています.視点が自分側(大人側)を向いているからです.子育ての対象は子供なのに.

子育て中は,視点を子供側におく必要があると私は思っています.大人側じゃありません.そして,実はその方が,子供と上手く付きあえ,子供も大人のことを理解してくれ,ストレスも溜まりにくい子育て生活が過ごせる.そんな風に信じています.