今月13日の NHK の朝のニュースで,絵本の人気が大人にも広がっているというニュースがありました.絵本カフェや洋書絵本専門店がとりあげられており,絵本カフェでは飛び出す絵本,洋書絵本専門店では大人向けの英語の絵本の読み聞かせ講座が紹介されていました (後者は少しうろ覚え,間違っていたらすみません).
また,同日だったと思いますが,新聞でオーダー絵本の会社が紹介されてありました.プレゼントとしてオーダー絵本を頼むお客が多く,6割が大人だそうです.
確かに大人の絵本ブームと言っても良さそうですが,肝心のお話の方がクローズアップされていないことが気になりました.注目されているのは絵本という形式だとか,飛び出す「しかけ」だとかです.報道のされ方なのかもしれませんが,本当のところはどうなのでしょうね.みなさん絵本の世界を楽しまれた上での,ブームなんでしょうか.
それとも「ただの流行り」で,絵本から連想される「やさしい」イメージや,海外製品から連想される「おしゃれ」や「かっこいい」というイメージが,ブームを呼んでいるだけでしょうか.
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どちらなのかはわかりません.ただ,私が思っているのは,「絵本の世界を楽しむのは,大人にとっては結構難しいことだ」ということです.絵本の絵やしかけを美術として楽しむのは出来ると思いますが,お話となるとどうでしょう.楽しめるでしょうか?社会のルールで固められた大人の頭では,話を「理解」しようとするあまり,楽しめないことも多いのではないでしょうか.
絵本の世界と絵本の本当の面白さはお話にあります.絵やしかけはお話と読み手をつないでくれる橋でしか過ぎません.ときには子供しか渡れない橋,子供しか見えない世界があると思います.もし,お話を楽しめていないとしたら,本当に絵本を楽しんでいるとは言えませんね.
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大人の絵本ブームと言われていますが,「日本的な流行り」ではなく,絵本の文化が育まれる本当のブームであって欲しいです.気づいたら「それはもう流行ってない.古いよね」みたいな状態なっていたら悲しいですよね.そのときに子供達の絵本まで廃れていたとしたら,そんな残念なことはありません.
絵本好きの者として切に願います.
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