2007年11月27日火曜日

「エスカレーターでは歩かないでください」を呼びかける前に

「エスカレーターでは歩かないでください」そのようなポスターを張り出したのが,横浜市交通局だそうです.
交通局は5月から「エスカレーターでは歩かないで」と呼び掛け始めた。車内電光掲示板でも「エスカレーターは歩いたり走ったりすると大変危険です。手すりにつかまってご利用ください」と表示。9月からは乗り口にポスターも掲示した。(エスカレーター:横浜地下鉄「歩かないで」 構造上想定外, 2007年11月26日, 毎日jp)
こんな記事がありました.同記事によると,呼びかけの原因は利用者からの苦情からで,お孫さんとエスカレータに乗っていた方が,後ろから「どけ,どけ」と言われ,押されたのだそうです.

「エスカレータを歩くと危ないものな」と思いましたが,「いや待て」とも思いました.

まず,利用客のモラルが変わらなければ,エスカレータを歩かなくなっても,別の場所で事故が増えるだけじゃないかと思いました.エスカレータを歩かなくなると人の流れも変わります.このような措置は効果はないと思います.

そして次に,同記事にあった同様の呼びかけをしている鉄道会社が気になりました.名古屋市営地下鉄,JR東日本,東京メトロだそうです.駅構内にエスカレータが多い気がする東急の名はありませんでした.なぜでしょう.

記事からはこれだけしかわかりません.後は推測です.

名古屋市営地下鉄,東京メトロは知りませんが,JR東日本はエスカレータ・エレベータの設置が遅れていると感じています.エレベータのない駅なんてたくさんあります.そして,後に書きますが,横浜市交通局にも同様の観点で良い印象を持っていません.逆に東急の駅はとても使いやすいです.

言いたいのは,エスカレータを歩く・歩かないはあまり関係がなく,利用しにくい駅ほど事故が多いのではという私の推測です.

例えば,新横浜駅.横浜線と新幹線の連絡のあたり,新幹線構内,そして横浜市営地下鉄,ベビーカーを押していると使いにくいです.

新幹線の周辺は最悪です.今にも事故が起きそうです.私も「後ろから押さないで」と思ったこともありました.そういう経験もあり,先のような推測が出たのでした.ですが,あれでエスカレータを歩くなと言ったら,逆に人が流れなくって騒動になりそうです.

そして地下鉄新横浜駅のこと.ベビーカーを押していたので,エレベータを利用しようとしました.が,"お身体の不自由な方専用エレベータ" と書いてありました.あ然としました.「こういうのはバリアフリーとは言わない」と思いました.交通局の意識の低さにがっかりした覚えがあります.交通局のために正しい情報を添えると,同駅ホームの離れた場所にエレベータがあったそうなのですが,私達はそれに気づきませんでした.

そんな2つの鉄道会社がエスカレータを歩かないように呼びかけているのだそうです.でも,その前にすることはあるはずです.利用者に呼びかけるにしても,単に「危ないから歩くな」では納得してもらえないと思います.

東急はどうなんでしょう.知っている方がいれば教えて下さい.

2007年11月20日火曜日

[絵本レビュー] めの まど あけろ

最近,3 歳になる長女が,うたを歌うようになりました.遊びながら,わらべうたを歌います.そんな彼女がよく歌うフレーズにめの まど あけろにのっている詩があります.

この絵本の作者は,詩人でもある谷川俊太郎さん.文章のリズムがよく,その気がなくても歌うように読んでしまいます.もちろん,この本はそのように読むものなんでしょうけれどね.文章は長女が読む絵本と比べて長い方なのですが,歌になっているので覚えやすいのでしょう.字も読めない長女が,大きな間違えをすることなく,最後まで自分で(そらで)読んでしまいます.

他の遊びをしているときも,「いっぽんあし,かかし~」とか言いながら歌っていることも多いです.子供の生活の中の 1 シーンを切り取った詩が多いからでしょうか,口に出やすいんでしょうね.

そんな不思議な魅力のある一冊です.

2007年11月19日月曜日

「ひいき客」より「フェアな客」

風呂でボーっとしながら,「なんで,ある店や人を応援していることを,『ひいきしている』って言うんだろう」と考えていました.別に何があったわけじゃありません.私は「ことば」の語源やら「ひびき」なんかに興味があったりするので,そんなことを一人で考えていたりすることが時々あるのです.

しかし,書きたいことは,その語源でも,私の趣味でもありません.人との接し方です.

「ひいきしている」と聞いたときに受ける印象として,「一方に傾倒している」ということがあります.ひいきには,「えこひいき」や「ひいきの引き倒し」なんていう言葉もあります.もちろん,ひいき自身には,そのような偏りの意味はないのでしょうけれど.一般的な使われ方のためでしょうか,そんな印象をぬぐえません.

目を掛けているから,ひいきするのでしょうけれど,(えこ)ひいきはその人のためになりません.本当にその人のためを思うと,フェアじゃなくてはならないし,状況によっては目を掛けていない方をたたえることも必要です.でも,そういうのってとっても難しいです.

例えば,私は 2 人の娘を育てているところですが,「自分は 2 人にフェアに接しているだろうか?」「他の子供と娘とをフェアに扱っているだろうか?」なんて考えると,落ち込んでしまいそうです.

例えば,自分の娘は悪くなく,娘のお友達が悪いときに,その子を叱れるだろうかなんて考えると絶望的です.

2007年11月18日日曜日

2008年 いわむらかずおカレンダー2

ふと,書店の前を通った時のこと.「あれ? あれは 14 ひきのあさごはん」

それはいわむらかずおさんのカレンダーでした.14 ひきのあさごはんは,いま我が家で一番人気のある絵本です.私達夫婦は迷わず購入してしまいました.家に帰り,落ち着いて開いてみると「14ひきシリーズ」の絵もたくさん挿絵として使われていて,大満足です.

「あさごはん(1月)」「ぴくにっく(3月)」「こもりうた(6月)」「せんたく(7月)」「おつきみ(9月)」「やまいも(11月)」「ひっこし(12月)」

いわむらさんの絵は,いまにもお話が聞こえてきそうです.いつまでも見飽きませんね.来年はカレンダーばっかり見てそうです.ただ少し気になるのが,挿絵の季節感が月と合ってないように思うところです.「14 ひきのあさごはんって夏のお話じゃなかったっけ? なぜに,1 月の挿絵...」

ちょっと残念です.

2007年11月13日火曜日

子育ては,楽なものでもないし,放ったらかしにできるものでもない

相変わらず,有名な幼児向け教材を作っている会社からセールスメールが来ます.ウェブサイトを見る限り,聞こえの良いことばかり書いています.とても子供のことを考えている会社のようです.でも,あのメールに入っている漫画をから受ける印象はずいぶん違います.親が楽できる教材であるような印象を受けます.どんなに親の手を焼かせる子供でも,この教材を与えるだけで「良い子」になるようだからです.
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先月,実家に帰りましたが,近くの公園のブランコがはずされていました.遊具事故や遊具撤収を報道でよく耳にしますが,こんなところで体験するとは.
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ある日,私の父が音の出る絵本を娘に買ってきてくれました.父は子供と上手に遊べないので,おもちゃとして買ってあげて,喜んでもらおうということでしょう.その絵本は「あいうえお」を勉強するものですが,「あ」を押せだの,なんとかしろだのと,いちいち指図がうるさく,遊んでいるのに考えさせてもらえません.あまり楽しくないおもちゃでした.
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上の3つのことは,ぜんぜん違う内容のことですが,1つ共通していることがあるように思っています.上手く言葉にできませんが,「子育ては大変だから何かを与えておいて,あとは放ったらかしにしておこう」という考えが根底にあるように思います.私にとっては遊具問題も同じ部類の問題です.「遊具を設置しておけば,後は放ったらかし」

だって大変ですし,面倒ですものね.子供の相手をし続けるのって.でも,子育てってそういうものじゃないですか? それは第一に受け入れなければならないことでしょう.そして,どうしても無理なときは,どうすればいいかを親子で相談したり,いろいろ工夫したりすべきことじゃないでしょうか.それが子育てです.手間がかかることなのです.

どこかから,道具を持ってきて解決できるものでもないし,放ったらかしにできるものでもありません.そんなことで,親子の信頼関係は築けるのでしょうか.私にはよくわからないことが多いです.

2007年11月9日金曜日

[絵本レビュー]14ひきのあさごはん

この数日の間,寝る前の絵本が決まっています.いわむらかずおさんの「14ひきのあさごはん」です.14 ひき家族のねずみの一家を扱った絵本シリーズの代表的な作品で,一家の朝ご飯をあつかったお話です.

このシリーズは,とても人気のある絵本のようなのですが,実はぶっくくらぶから配本されるまで,ぜんぜん知りませんでした.

この絵本のお薦めポイントは,とにかく絵を見ているだけで楽しいところです.しっかりと細かいところまで描き込まれた背景とともに,14 ひきのねずみ達がそれぞれの個性を持って描かれています.元気よく朝の支度をしている子もいれば,まだ眠そうに目をこすっている子もいます.お母さんとお話している子もいれば,ケンカしている子達もいます.今にも絵からねずみ達のお話が聞こえてきそうです

文章もありますが,ほどよい短さでくどくなく,内容は絵の世界を楽しめるように工夫されています.わたしが「まだ眠そうなのはだあれ?」と読むと,娘はすかさず指をさしながら「この子!」と言います.そこから絵本との対話が始まります.

このように絵本の世界に入りやすい本は大好きです.