2006年4月26日水曜日

[絵本レビュー] どうぶつのおかあさん

キャラクターものでない絵本でもこどもは喜ぶんだというお話の続きです。

私と娘が好きな本に、「どうぶつのおかあさん」という絵本があります。どうぶつのおかあさんが自分のこどもを運んでいる様子を見開きページいっぱいに書いています。それも実に写実的で写真のようです。可愛いキャラクターものの絵本とは正反対の位置にある本だと思います。

以前に、「最初に本当の姿を知る大切さ」というタイトルでアマゾンにもレビューを書きましたので、一部引用します。

...この絵本は、よくあるカワイイ絵本ではありません。このような絵本は、最近は好まれないのではと感じます。でも私は最近、カワイイ絵本よりも本当の姿に近い絵の本が好きになってきました。理由は、私の子供がこの本のような写実的な本を好むということと、カワイイ(往々にして、ディフォルメされている)絵は大人の視点であって、子供の視点ではないと考えるようになったからです。

ディフォルメされた犬を見てカワイイと思えるのは、ホントの犬の姿を知っているからですね。では、本当の動物を知る前の子供は、カワイイ絵を見てどんな風に感じているのでしょうか? おそらく、大人が書いた意図とは違ったように子供は解釈しているはずです。...(以下略)...

私は、今でもこのように思っています。でも、別にキャラクターそのものを否定するつもりもありません。我が家にもキャラクターものの食器やおもちゃもあります。私のペンネームも、Peanuts の Rerun Van Pelt からとっています。しかしながら、まっさらの子供にはできるだけ偏らずいろんな物を見せてあげたいと思います。私達大人は十分に偏っているので、子供に話す事、教える事もどうしても何かに偏りがちです。でも、「できるだけ、ほんの少しでも複数の視点でものを見せたい」そう考えています。

私がキャラクターものをあまり好ましく思わない理由は、「ほら、これは可愛いんだよ」という押し付けがましい(かつ、商魂逞しい)雰囲気をどうしても感じてしまうからなんだと思います。可愛いかどうかを決めるのは子供であって、あんたではないと思ってしまうのです。

全部の視点を見せるのは不可能だけど、せめて複数の視点がある事だけでも子供に伝わればなぁと願います。

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