2009年10月27日火曜日

cuboro 社 キュボロスタンダードは大人も楽しい

先日は,私の誕生日でした。仕事の変わり目でちょっと気が抜けた上に,このところの気温の変化も重なって,体調が悪く,朝からゴロゴロしておりました。

すると,玄関の方で何やらゴトゴト音がして,どうやら宅配便が届いた様子です。行ってみると,妻から「ハイこれ」とプレゼントをもらいました。なんと,中身はず〜〜と欲しいと思っていた,キュボロ (cuboro standard) です。ヤッタ〜!

それは,スイスのキュボロ社が作っているビー玉を転がして遊ぶ木のおもちゃです。一辺 5cm の立方体の積み木に溝や穴があけられていて,それらをうまく組み合わせながら道を創っていきます。トンネルをうまく繋げると,「おっ!」とびっくりするような所からビー玉が出て来て,その動きに魅了され,さらに想像力をかき立てられます。うまく説明出来ないので,ご存知のない方は下の動画をご覧下さい。



大人も夢中になって遊ぶことができるおもちゃだと私は思います。先日は体調が悪いのに夢中になって遊んでしまいました。

ちなみに,cuboro は完成度の高い木のおもちゃであることは確かですが,Naef のおもちゃに比べ,基尺 (積み木の辺の長さ) の精度がそれほど高くないように感じました。(遊ぶには支障はありません)

2009年10月21日水曜日

[絵本レビュー] ペニロイヤルのおにたいじ(ジュディス カー 著)

2 starsいくらなんでもお話の展開に無理がある
長女 (5) が今年の GW に私の父から買ってもらった絵本です。

みんなから,いくじなしと呼ばれているペニロイヤルが,お城の兵隊でもやっつけられなかった鬼を退治しにいくお話です。でも,ペニロイヤルはおもちゃを持って,まるで友達のところに遊びにいくような格好で出かけて行きました。

鬼はペニロイヤルがそんな風に来たものですから,怒る訳にもいかず,きまりが悪くなって骨を置いている部屋を隠したり,自分が子供になってしまったりします。そして,いつの間にか鬼のお城までなくなってしまいました。

面白いお話なのですが,鬼が子供になってしまうあたりからあまりにも話が飛んでいて無理があると感じました。大人向けの本じゃないので,いちいち説明する必要はないと思いますし,感覚でわかればよいと私も思うのですが,いくらなんでもお話の展開に無理があると感じました。

うまく表現出来ませんが,まるで,もう少し長いお話をダイジェストにしたような印象を持ちます。娘達も,これを読む度に不思議そうです。

全体のストーリーは悪くないので,惜しいなあと思います。

2009年10月18日日曜日

[絵本レビュー] ちいさなヒッポ(マーシャ・ブラウン さく)

4 starsヒッポのあどけなさが可愛い
次女 (3) が寝る前の読み聞かせに選んだ本です。あまり頻繁には読みませんが,ときどき持ってくるのでまあまあ好きなんでしょうね。(ちなみに私は結構好きです。)

ヒッポはまだちいさなカバ。お母さんにいろいろ教わりながら暮らしています。ある日みんなで昼寝をしている時に,ヒッポが 1 人で群れを少し離れてしまいました。そのわずかなすきを狙ってワニが忍び寄り,ヒッポを襲います。ところが,お母さんが現れワニを追っ払います。たくましいお母さんです。

さて,娘たちが一番気に入っているのは,ワニが現れるところでも,お母さんがワニをやっつけるところでもありません。それは,ヒッポがお母さんに言葉を教えてもらっているところ。
「グァオ、ヒッポ!」と,まずおかあさんが ほえてみせます。
「グッ グッ! グァオ!」とヒッポがくりかえします。
「グァオ、こんにちは!」
「グッ グァオ,おんにちは!」
「グァオ、あぶない!」
「グァオ、あぶらい!」
こんなようすです。ヒッポがうまく言葉を発音出来なくて,「あらい」みたいになってしまうところで,娘達は大笑いです。

この絵本はカバの生態もさりげなく描いていて,昼間は泥に埋まって寝ているとか,夜は集団でえさを食べにいくとかがわかります。動物好きの娘達はそういうところも好きみたいですね。

個人的には,この絵本の版画の絵が好きで,それだけ見ていても楽しいと思っています。

2009年10月17日土曜日

子供の気質を判定する

CHILD TEMPERAMENT PROFILER というサイトがあります。
当テストにより、2歳から8歳までの子供(あなた自身のお子さんでも他のお子さんでも構いません)に関してその子の気質を判定したテスト結果が得られます。また、あなたが理想としてはそのお子さんにどうあって欲しいと思っているかも分かります。
(http://www.childtemperament.org/index.php?lang=ja より)
だそうです。私もやってみました。このテストで「活動性」や「根気強さ」といった 6 つの観点から気質を判定出来ます。そしてそれぞれの観点について自分の理想がわかるので,子供と親の理想のギャップもわかります。長女 (5) と次女 (3) とでやってみたのですが,確かにそれぞれの娘からイライラさせられるポイントがテスト結果においてもギャップになっていてうまく出来ているなと思いまし た。

この手のテストをすると,どうしても結果そのものに対して優劣をつけたくなるものですが,テストの目的は現状を認識することです。自分がどういう理想を 持っているか,子供はどうか,そして 2 つのギャップは? それらを素直に受け止める必要があります。どこの観点が高ければよいというものでは決してないと思っています。

そして,「そういうものなんだな」と思い,子供に合った子育てをやれば...もっと思い切って言うと,ある程度わりきって気楽に付き合っていくことが親にも子にもよいんじゃないかなと私は思います。子供には「こうあって欲しい」とか「こうさせなきゃ」と思うかもしれませんが,親側も完璧じゃないんだし,「こうあって欲しい」の「こう」が唯一の解じゃないんですから。

2009年10月14日水曜日

[絵本レビュー] かいじゅうたちのいるところ(モーリス・センダック さく)

4 stars心温まるお話なのですが
童話館ぶっくくらぶから今月の次女 (3) 向けに送られてきたのがこの本,「かいじゅうたちのいるところ」です。偶然にも実写映画化され試写会もされ,今話題になっている絵本ですね。この絵本は,なんと全世界で2000万部、日本でも100万部も売れているベストセラーだそうです。アマゾンの書評でも星 5 つの評価。児童向けの推薦図書にもなっている,大変人気の絵本です。

しかし,この絵本を書評するのは難しいなと思いました。

あらすじはこうです。主人公のマックスが母親に叱られ,夕ご飯抜きで部屋に閉じ込められます。すると部屋が森になり,海になり,マックスは船に乗って「かいじゅうたちのいるところ」に行きます。そこでマックスはかいじゅうの王様になるのですが,帰りたくなり部屋に戻ります。するとあたたかい夕ご飯が部屋においてありました。

さて,この絵本を読んで最初に感じたのは,「不思議なお話だな。かいじゅうたちのいるところに行ったけれど,マックスは家に帰れてよかった。ちゃんと夕ご飯もあったし。お母さんが用意してくれたんだね。」です。次に「絵がいいな。」です。かいじゅうが親しみやすくカワイイのです。少し怪しい雰囲気もあるのですが,よく話すと友達になれそうな...そんな感じのかいじゅうなのです。「自分も少しだけならそこに行ってみたいな」そんな気になります。

そして最後に,こう感じました。「かいじゅうたちのいるところ」はマックスの心の中にあるんだろうな。母親に叱られて部屋に閉じ込められ,心の中のかいじゅうの王様になったけれど,やっぱりさびしくて母親のことを考える。そうすると,ちゃんと温かい夕ご飯を用意してくれていたことを知る...男の子の心の中を描いた作品なんだな。いいお話です。

やんちゃざかりの男の子の心の動きを,子供にも楽しめるストーリーで絵本として表現したこの作品はすばらしいものだと私は思います。だけれど,おそらくこの絵本を読み聞かせしてもらえるであろう子供たちは,そんな風には感じないと私は思います。こどもはもっとストレートに捉えるからです。

子供には難しいことがわからないのではありません。子供の立場でストレートに捉えるはずなので,作品には登場しない母親の気持ちを察したり,男の子の気持ちの変化を考えたりはしないということなのです。

でも,この作品の良いところはまさにそこです。

これは年齢によって評価するポイントが変わってしまう作品です。大人が読み聞かせする絵本としてはまちがいなく星 5 つでしょうが,子供に読み聞かせする絵本としては星 3 〜 4 でしょう。面白いけれど,そこまでではないと思うからです。

長々と書きましたが,最後にまとめとして,もういちど感想を。

「不思議で,ちょっと怖くて,でも楽しくて,最後は少し安心する」面白い絵本でした。

2009年10月12日月曜日

こどもに絵本を読んでもらう楽しさ

今日は次女 (3) に絵本の読み聞かせをしてもらいました。

長女もそうだったのですが,3 歳くらいになると持っている絵本を覚えてしまっていて,こんどは親のマネをして自分でも絵本が読みたくなるようです。もちろん字がまだ読めないので,思い出しながら読んでくれるんですけれどね。

娘に絵本を読んでもらえるのはとても楽しく嬉しいことです。彼女がどんな風にその絵本を記憶しているのかが分かるのも楽しいですし,思いのほか細かいフレーズまで記憶していて驚かされるのも楽しいです。でもなによりも,その絵本を楽しそうに,聞いている方を喜ばせようと読んでくれるのがとても嬉しいです。(父親は娘からなにをしてもらっても嬉しいものですけれど,) 絵本を読み聞かせるのとは違った嬉しさがあります。

おおきくおおきくおおきくなあれ (ひろがるせかい) (まついのりこ・かみしばいひろがるせかい)次女が今日読んでくれたのは,「おおきくおおきくおおきくなあれ」という紙芝居と,「ジャイアント・ジャム・サンド」という絵本です。どちらも次女が大好きなお話。どちらもとても楽しそうに読んでくれました。

これまで私は「絵本は子供とのコミュニケーションの道具」だとこのブログで書いてきましたが,自分が子供から絵本を読んでもらえることで,それをまた違った形で感じることができます。もちろん子供側には,読めるようになった自分のことをほめて欲しいと思う気持ちや,なんでも自分でやりたいという単純な欲求があります。でも,子供が絵本を純粋に好きなんだということもわかるのです。ただ読んでもらっているだけなんですけれど,不思議ですね。

私が娘達に絵本を読んでいる時も,娘達は聞きながらこんな風に感じているのかなって思いました。

2009年10月8日木曜日

面倒なことを率先する子育て

我が家には 5 歳と 3 歳の娘がおります。土日は彼女達と遊ぶ日々が続き,「週末くらいは○○したいな」とかいう願望もなかなか叶えられませんが,「おとうさん,一緒に遊ぼ!」と言ってくれるのはそう長くありません。ですから,土日はほぼ一日中一緒にいるようにして,平日も寝る前の絵本はできるだけ私が読むようにしています。なかなか疲れることも多いのですが,妻はもっとたいへんでしょうから,頭が下がります。

さて,こんな風に子供と暮らしていると,「少しは楽したいな」とか「楽する方法はないかな」と思ってしまうのは自然です。もちろん私も思います。そして,商魂逞しい企業からは,甘い誘いがやってきます。「この教材を使うと子供が自主的にひらがなを楽しみながら覚えられるし,親の負担も少ないですよ」という具合です。教育分野だけに限りません。ありとあらゆるところから,「うちの○○サービスを使うと,子供も楽しめるし,パパ・ママも楽しく,らくちんですよ」というようなお誘いがあります。

私はそういうたぐいのサービスや商品をあまり好きではありません。全部を全部否定する訳ではありませんし,うまく活用すればいいものだと思います。利用しようかなと思うこともあります。ただ,その状況を少し冷静に見て欲しいと思うのです。

教育商品を購入したとして子供が学習したとします。もしくは何かのサービスを受けて子供が楽しんだとします。さて,その価値を子供に提供したのは誰でしょう?もちろん購入したのは親ですが,それ(=たいてい自分がすると面倒なこと)にお金を払ったのは,それに価値があるからです。

さて,親は子供に何をしてあげられたでしょうか。

子供は親から何かをしてもらったと実感出来るでしょうか。ましてや,親の動機が自分が楽するためであったなら,子供はどういう風に感じるでしょうか。

私の意見は,子供が小さいうちは自分が実際に動いて,子供と一緒に遊んだり過ごしたりすることで,親としての責任をまっとう出来るということです。そして,それは”自分が面倒だなと思うこと”をするということです。自分でしたことは,きれいじゃないかもしれない,洗練されていないかもしれない,おしゃれじゃないかもしれない,でも親自身が生み出したものです。子供は本当に良くわかってくれます。それは親がしてくれたことであることを。子供はどこに価値があるか・誰が提供してくれたかを理解しているのです。

そして,あまりやりたくないと感じるこの方法が,実は本当は子育てを楽にする方法であると私は思っています。

2009年10月4日日曜日

[絵本レビュー] わたしがあかちゃんだったとき(キャスリーン・アンホールト さく)

4 stars娘と一緒に赤ちゃんの頃の思い出話をしました
長女 (5) が今日の寝る前の絵本にと持ってきたのがこの絵本,「わたしがあかちゃんだったとき」です。

主人公は 3 歳の女の子。自分が赤ちゃんだった頃の話をお母さんとはじめます。赤ちゃんの頃の洋服や写真を見ながらお母さんに質問をします。
「このちっちゃなかごにねてるの あたし?」
「そうよ。みんなが あなたにあいにきてね。
プレゼントも たくさん いただいたのよ」

お母さんはやさしく当時のことをひとつひとつ女の子に話していきます。おふろはパパがいれただとか,散歩が好きだったことだとか,庭でまいごになったことがあることだとか。女の子は (おそらく) 不思議な気持ちでつぎつぎとおかあさんに質問します。そんなお話です。

やわらかい絵が,まるでお母さんの女の子への愛情を表しているようで,やさしい気持ちになる絵本でもあります。

読みながら,長女にも彼女が赤ちゃんだった時のことを同じように話しました。例えば,上のプレゼントのお話が出たページでは,
○○ちゃんの持っている,あの茶色のくまさん。あれは赤ちゃんだった時にプレゼントされたものだよ。

1 歳の誕生日のお話のページでは,
1 歳の誕生日パーティーはおばあちゃん家でやったんだよ

というように,ちょっとした思い出を話しました。長女は「えっ!」と驚きの様子でした。

どちらの話も,これまで彼女にした覚えがあるのですが,子供のことですし,興味のないことでしょうから忘れていたのでしょう。それに,そのときはそんな驚きの様子は見せませんでした。「ふ〜ん」という感じだったと思います。

ですが,今日のように落ち着いて絵本を読みながら聞くと,自分の思い出話も聞けるのですね。おもしろいです。でも,思い出話をしようと思って (言葉は悪いですが,たくらんで),この絵本を子供と読んでもおそらく聞いてもらえないでしょうけれどね(笑

今日は絵本を通じてコミュニケーションが出来た典型でした。