本当言うと、これまで“しかけ絵本”というのは正統派ではないと思っていました。この感想は,私が1年前に受けた印象と同じようなものでした.わたしは「コロちゃんはどこ」の Amazon レビューに次のように書いています.
特にインパクトだけをねらった大がかりな“しかけ絵本”は、絵本とは言えないのではないかと。
でも、この絵本の“しかけ”は、けしてそんなややこしいものではありません。
1つのシーンに1枚のフラップが付いているだけの簡単なものです。
それをめくると、隠れていた Spot が現れて一言。
フラップをめくったときに現れる絵や言葉は、子どもにとってとても印象深いに違いありません。 (『Spot Goes to School』より)
ところで、私は特に理由もなく、仕掛け絵本があまり好きではありませんでした。どこかしら邪道な感じがして、好きになれなかったのですが、これを娘(1歳)と読んでから、考えが変わりました。「興味が持てる」や「面白い」ということは絵本にとっても大切なことで,それがしかけによるものであっても構わないというのが私の今の考えです.忘れてはならないのが質 --- 絵本の場合はお話しになるでしょうか --- が良いかどうかで,しかけが「ある」か「ない」かではないと思います.しかけ絵本でも質のよいものはあり,それはすばらしい絵本だということですね.私は Amazon レビューで邪道という言葉を使っていますが,「邪道だ,邪道でない」というのは,質の善し悪しを考えない見た目だけの判断ということなのでしょう.
娘は、ページ以外のものをめくる楽しさや、何が出てくるか分からない面白さに惹かれて、この本をとても気に入ってくれたからです。実際、本をもっと好きになってくれたようにも思います。
本屋さんに行けば,たくさんの本があり,その中には目をひくしかけがあったり,音がでたりする本があります.たしかにそれには子供は惹きつけられますし興味を持ちますが,質が伴わない場合,その興味は一過性のものに終わるでしょう.
子供はちゃんとそれが本当に面白いものかどうかを見抜いてしまいます.私達大人も見た目にこだわらず,質の善し悪しをみていきたいものだと思います.
0 件のコメント:
コメントを投稿