2009年2月26日木曜日

最初は,親も1年生。子供も1年生。

「最初の子供の時は,親も親1年生,子供も子供1年生なんだ」とは,私の会社の先輩に言われた言葉です。その先輩は転職されて今は違う会社におられますが,その言葉は今も私の中にあります。その言葉の意味は,「最初の子供が生まれた時は,親にとってもはじめてのことばかりで,まるで1年生のよう。だから,大人だけれども親も親1年生だから,生まれた子供と同じレベル。苦労するのは当たり前で,そういうつもりで子供とやりとりしなくてはならない。次に2年後に子供が生まれたら,親は親3年生で,生まれた子供は1年生。親の方が経験があるから,対応は楽になる」ということです。私の第一子が誕生し,あくせくしていた時にもらった言葉です。

今,長女4歳,次女2歳。まさにそのとおりだと痛感しています。いまだに長女のことになると「いろいろと心配」になり,次女のことになると「まあ,どうにかなるさ」と余裕です。これはずっと続くんだと思います。

これは,子供を育てていらっしゃる方なら経験のあることだと思いますが,(当然と言えば当然なのですが)人種や国が違っても同様なんだなと思いました。先日読んだ「ワインバーグの文章読本 ジェラルド・M・ワインバーグ著」に次のような話が載っていました。著者のワインバーグさんが,お子さんを連れて初めての健康診断に行き,問題点を7ペー ジのリストにして小児科医に渡した時に,医師が言った言葉です。
「あのね,最初の子供を捨てることさえ出来たら,子育てには何の問題もなくなりますよ」

思わず苦笑してしまいました。端的に表している言葉ですね。

私はまだまだ親としては未熟です。4年生ですからね。早く親として成人したいですが,もうしばらく先になるでしょう。大事なのは親として謙虚に子育てすることだと思います。知識も経験も乏しいくせに空威張りしているようでは,文字通り子供ですものね。

2009年2月16日月曜日

こどもには,鍛えにくいことから教育すべきだ --- 読み書きそろばんより想像力

「近所の○○幼稚園が定員割れになったそうだよ」と妻から聞きました。

そこは近所では人気の幼稚園で,漢字の読み書きや算数などの幼児教育に力を入れておられるところです。定員割れとは驚きです。その園に通う子を持つ幼稚園ママ達によると,今年度のプレ保育が机に座った勉強に偏っていたので逆に敬遠されたのではという話でした。ま,ただの噂ですし,これ以上のつまらない詮索はよしましょう。幼稚園は義務じゃないのでそれぞれ園の方針があり,入る方は気に入った園に行けばいいわけですから。

しかし,この妻の言葉は私の中に引っかかりました。私が最近気にかかっていたことと関連するからです。

私は会社の若手社員を現場で教育しています。指導する上で一番難しいのは,仕事の心構えをいかに教えるかですが,次は,技術的なことではなく,想像力をいかに発揮してもらうかです。私の仕事は技術職ですが,このように技術の前に身につけておくことはたくさんあります。これは,おおよそ仕事と名のつくものに共通すると私は思っています。どんなことであれ,仕事を頼んだ人を満足させるには想像力は欠かせません。想像力のない人の仕事は困ります。変化に対応出来ないからです。学校では手法を教えるよりも,考える力や想像力を鍛えて欲しいなと思っていたところでした。

想像力がないと,技術の使いどころと使いようがわかりませんし,創造的な仕事もできません。想像力はとても重要なファクターです。そして,想像力は興味と関係します。興味を持てるから,思いつく --- 想像できます。だから,どんなことにも興味を持つタイプの人は思いつきが多く,かゆいところに手が届いている仕事をしたり,たとえわからないことがあって も不明点がクリアなので助けも出しやすかったりします。また,想像力のある人は自分の技術や知識の不足しているところもわかるので,成長もしてくれます。ところが,技術や知識があっても想像力のない人はそこでストップが多いです。逐一指示が必要なので,成長が極めて遅いのです。

私の考えでは,こどものうちは鍛えにくいことから教育すべきです。例えば「コミュニケーションを上手にできる」とか「自分の考えを発表できる」などの社会的なこと。大人になったら変えることはきわめて難しいので,三つ子のなんとかじゃないですが,幼児期がとても重要です。音感や運動能力なども同じで,一流になるには子供のうちからだそうですね。

そして,想像力も鍛えにくい。だから,ものごとにプラスの姿勢で臨み,興味を持ち,想像力をもって取り組むことはぜひ教育したい。でも,漢字の読み書きや四則演算は乱暴に言ってしまえば,どうでもいいです。すくなくとも二の次です。

さらに,漢字や算数には弊害があって,学校の成績にも即効性があるし,勉強をしているつもりになってしまうので,問題を設定する力や思考する力などの本来の勉強に目を向けにくくなります。しかも数学の本質は論理力と抽象力のはずで,計算力じゃありません。

だから,私は自分が勉強をしてきた方だし,子供にもしっかりと勉強をして欲しいですが,ただの読み書きや算数から学習を始めてしまうことには反対なのです。

2009年2月9日月曜日

[絵本レビュー] ゆうびんやのくまさん

5 starsくまさんの素朴な生活と勤勉な働きぶりが魅力
ゆうびんやのくまさん (世界傑作絵本シリーズ)ゆうびんやのくまさん (世界傑作絵本シリーズ)
フィービ ウォージントン, セルビ ウォージントン
福音館書店, 1987年05月
以前にも,このくまさんシリーズのレビューを書きましたが,今日はあのとき紹介出来なかった「ゆうびんやのくまさん」についてです。またまた図書館で借りてきました。

もちろんこの本は,くまの郵便屋さんのお話で,くまさんが起きてから寝るまでの生活が書いてあります。素朴な表現の文章に,やさしい挿絵がつき,くまさんの素朴な生活と勤勉な働きぶりをいっそう魅力的にみせてくれます。私は,局で郵便物を仕分けているときに,ほどけかかった小包を見つけ,つつみなおしてあげるくまさんが好きです。くまさんの仕事に対する誇りまで,感じてしまうのですが,言い過ぎでしょうか(笑

私はこのシリーズの絵本が大好きです。そして,どの絵本も最初の1ページと最後の1ページがお気に入りです。ゆうびんやのくまさんは次のように始まります。
あるところに,ゆうびんやのくまさんが,たったひとりですんでいました。くまさんは,バッジのついた ぼうしと,てがみや はがきをいれる かばんを もっていました。
なんて,無駄のない文章でしょうか。くまさんは他にも持っているものはたくさんあるでしょう。でも,バッジのついた帽子をかぶっているから,手紙やハガキを入れるかばんを持っているから「ゆうびんやさん」なのです。同じシリーズの他の絵本も同様の出だしで始まります。そして,くまさんが○○やさんであることがはっきりわかるように書かれてあります。こういう表現が,私を絵本の世界にあっという間に連れて行ってくれます。

大人向けの本だとこんな風にはなりません。働いている郵便局の大きさだとか,どんな人と一緒に働いているだとか,給料はどうだとか,そんなことが書かれます。でもこの本にはそんなこと書いていません。郵便物にスタンプを押すとき「バン バン バン!」って押すとか,配達した先の人はやさしいだろうかとかが書いてあります。この絵本はそういうことが気になる人向けの本です。そして,子供はそう言うことが気になるものです。

そして,最後の1ページはみんなおなじおわりかたです。
これが,ゆうびんやさんのくまさんのおはなしです。
そして,わたしはくまさんの生活がすっかりわかったような気になります。

わたしにとってこの本は,子供の頃の自分を思い出してくれる魔法の本です。

2009年2月7日土曜日

Tube Door Stopper

部屋を楽しくしてくれるドアストッパーです.ウェブで見つけたのですが,つい衝動買いしてしまいました.

見てのとおり,絵の具のチューブを思わせるチューブ型のドアストッパー.ドアにチューブが挟まっているようなドアストッパーなんて,考えただけで楽しくなりますね.しかもシリコンのゴムが使われていて,とても発色が良いです.届いて実際に手に取って見ても,色も形もイメージ通りでした.我が家のドアにはさっそくチューブが挟まっています.

娘達も喜ぶかなと思いましたが,反応はとくにありませんでした.子供はドアストッパーが絵の具チューブ型であっても意外に思わないようです.大人は型にはまった生き物なんだなと改めて思いました.

ところで,小包の中にはプレゼントが入っていました.動物の形をした輪ゴムです.実はこの輪ゴム,欲しかったのですが,用途が思いつかなかったので購入を見送ったものでした.こちらもいい感じ.動物好きの娘達も,こちらの方には興味を惹かれていました.意味もなくこの輪ゴムで何かを止めたくなります.

使うのが楽しくなる製品っていいですね.


参考)