2011年2月21日月曜日

[絵本レビュー] よるとひる (マーガレット・ワイズ・ブラウン さく)

★★★★★落ち着きと安心をもらえます
よるとひる
マーガレット・ワイズ・ブラウン (さく)、
レナード・ワイスガード (絵)、
ほしかわ なつよ (訳)
童話館出版, 2009年1月
バカみたいな感想ですが、すごく魅力的な本です。この魅力はどこから来るのでしょう。素晴らしい作品の前に言葉を失いますが、ちょっと書いてみようと思います。

作者はマーガレット・ワイズ・ブラウンさん。他のブラウンさんの作品の中では「おやすみなさいおつきさま」「ぼくにげちゃうよ」が有名ですね。

初めて「よるとひる」を読んだ時、「おやすみなさいおつきさま」や「ぼくにげちゃうよ」を読んだ時と同じ印象をもちました。それは静かで落ち着いた感じです。明るく華やかな絵本と比べると、暗い感じさえあります。しかしそれは、恐怖の暗さではありません。なにかこう、母親と同じ布団に入り、その布団で包まれているような、安心を伴ったものなのです。陳腐な言葉しか浮かびませんが、「心のつながり」がお話の背景にあるとでも言いましょうか。だから、静かで落ち着いていられ、暗い印象さえあるのに安心感を持つのです。

「よるとひる」は、夜が好きな黒いネコと昼を好きな白いネコが主人公。夜を怖がる白いネコを黒いネコが夜の世界に誘います。白いネコは怖がりますが、黒いネコが白いネコを想う強い気持ちに白いネコだけじゃなく、読んでいる我々も安心させられます。

うちの長女(6)は、このお話が大好きです。それが私と同じように「心のつながりを伴った安心感」を感じるからなのかどうかは分かりません。でも、「なんかいいお話」とは感じているようです。

ぜひ、寝る前の本に選んでみてください。

2011年2月8日火曜日

[絵本レビュー] こんとあき (林明子 さく)

5 starsドキドキしながら祖父母の家にひとりで行ったことを思い出します
不審者がいるので小さな子供がひとりで外を出歩いてはいけませんと言われてどれくらい経つかわかりませんが、私の子供の頃は幼稚園児でもひとりで公園に行くし、小学生にもなれば親類の家にひとりで出かけたものでした。「こんとあき」は、そんな一昔前の子供の小旅行のドキドキを、「こん」というキツネのぬいぐるみにうまく映し出している素晴らしい作品だと私は思います。

作者は私の大好きな林明子さん。林さんの描かれる幼児期の女の子の絵は、近所に住んでいそうな女の子で親しみが持てますね。

女の子の名前は「あき」。あきが生まれた時から一緒にいるキツネぬいぐるみの「こん」は一番のお友達のようです。その「こん」の腕がほころびてしまったので、おばあちゃんの家に直してもらいに行くことにしました。小さな「あき」と「こん」の2人旅です。

小さな「あき」を「こん」がリードしながら旅が進みますが、「あき」と「こん」はいろいろな事に遭遇します。駅でお弁当を買いに出たら「こん」が座席に帰って来なかったり、ちょっと寄り道をした砂丘で「こん」が犬に連れて行かれたり...。最後は不安に打ち勝ちながら、「あき」は「こん」をおぶっておばあちゃんの家にたどり着きます。子供の頃の旅行は、ワクワクとドキドキと不安とがんばりと安心とが次々とやってくるものだと思いますが、まさにそのとおりのお話です。そして、到着したおばあちゃんの家では「あたたかさ」が待っています。それも私の子供の頃の経験と同じです。

うちの娘達は、「こん」と「あき」の冒険物語として読んでいると思いますが、私にとっては自分の子供の頃の昔話を読んでいる気分でいます。

「○○ちゃんも、あきみたいに一人でおばあちゃんの家に行ってみる?」と言いたいところですが、その言葉を安心して出せない今の環境に、寂しさを感じますね。

絵本の書評というより、私の気持ちになっていましました...。

追伸)
Amazon を覗いていみると、「こん」をおぶっておばあちゃんの家に到着するシーンを、大好きなぬいぐるみや人形からの卒業として捉えている人が少なくないですね。なるほど、そういう捉え方もあるのか。

2011年2月7日月曜日

エルマーとりゅう あいうえお かるた

昨年のお正月はエルマーのすごろくを買いましたが、今年はエルマーのかるたを買いました。その名も、「エルマーとりゅう あいうえお かるた 愛蔵版」。

仕事帰りにラゾーナ川崎の丸善に寄って見つけてきました。どこかでエルマーのかるたを見かけた覚えがあり、大きい書店に行けば分かるに違いないと思って、あてなく寄ったんのですが、買えてよかった。ネットで検索かけてみると、ネットのオンラインショップでは扱っていなかったり、在庫がなかったりするようです。先に検索などしてたら、購入を諦めたかもしれません。行きゃあわかるだろ、という楽観的な性格の勝利ですね ^^)

家で買った初めてのかるたという珍しさも手伝い、エルマーとりゅうの大好きな我が家の面々(長女(6)、次女(4)、私達夫婦)は飽きずに何度も何度も遊びました。

大人の私が言うのも変ですが、結構面白いかるただと思います。

中身は写真から察せられるとおり、エルマー3部作の有名な登場人物(?)や場面が登場するのですが、それだけではありません。同じような札が2枚ある---例えば、サイが出る札が2枚ある---などのゲームを面白くする工夫があります。

「お手つきなし」のルールでやりましたが、娘達、とくに次女はそれにまんまと引っかかって、「これじゃなかった!」と盛り上がりました。

かるたなんて面白いかな。。。と思っていましたが、楽しませてくれました。