2009年9月24日木曜日

[絵本レビュー] おふろだいすき(松岡 享子 さく)

4 starsおふろにペンギンがいたら楽しいな
おふろだいすき (日本傑作絵本シリーズ)おふろだいすき
松岡 享子さく/林 明子 え
福音館書店, 1982年4月
長女 (5) が今日の寝る前の絵本にと持ってきたのがこの絵本,「おふろだいすき」です。

おふろが大好きな「まこちゃん」がお風呂に入ると,不思議,不思議。びっくりするようなことが次から次へとおこります。あひるのおもちゃの「プッカ」がしゃべりだし,湯舟からカメが現れ,そのあと双子のペンギン,オットセイ,カバ,なんと最後はクジラまででてきます。

カバを洗ってあげたり,湯舟の中でみんなで 50 まで数えたり,まこちゃんはおふろで動物達と楽しく過ごしました。

ところが不思議。おかあさんがまこちゃんの様子を見ようとお風呂をのぞいたとたん,動物達はお湯に潜っていなくなってしまいます。そんな不思議なお話ですけれど,おふろに動物がいることがさも当然のように書かれてあって,それが自然なことに思えてくるような,そんなところがこの絵本の魅力。すんなり絵本の世界に連れて行ってくれます。

1 つ注意点。この絵本,「読んであげるなら 4 歳から」と書かれてありますが,私の感覚から言うと絵本に親しんでいる子供でないと難しいと感じます。1 ページの字も多く,40 ページもあるので,最後まで聞けるだろうかと思うからです。

2009年9月23日水曜日

おとうさん,なんでカメムシっていうの?

我が家の娘達は虫が大好き。野原や公園に行くとかならず虫を追いかけ始めます。そんな長女 (5) のふとした疑問。
「おとうさん,カメムシは,なんでカメムシっていうの?」
あまりに素朴で素直な疑問だったので,いつもみたいに「なんでなんだろうね。○○ちゃんはなんでだと思う?」なんて,余裕のある返しは出来ずに,「う〜ん。背中がカメみたいだからかな」と思わずいいかげんなことを言ってしまいました。

Wikipedia によると
背中が平らで、甲羅に覆われた外観が亀を思わせるところから、カメムシの名が付いたといわれている。
だそうです。間違ってはいなかったようですね。

不意をつかれると,地が出るな...

2009年9月14日月曜日

[絵本レビュー] だるまちゃんとてんぐちゃん(加古里子 さく)

5 starsすてきな言葉をかけられる人になりたい
だるまちゃんとてんぐちゃん(こどものとも絵本)だるまちゃんとてんぐちゃん
加古里子
福音館書店, 1967年11月
「だるまちゃんとてんぐちゃん」は 1967 年が初版。古くから子供達に愛されて来た絵本です。私も子供の頃に読んだ覚えがあります。本当のところはあまり覚えていなくて「そうか,こんなお話だったな」と思ったんですけれどね。

そんなうっすらとした記憶ですが,「だるまちゃんとてんぐちゃん」で覚えていたところがあります。そしてそれと私の娘達が興味を持つところが同じでした。おそらくこどもが興味を惹かれるところは同じなのでしょう。それは,いろんな道具がたくさん出てくるところです。うちわだったり,靴だったり,花だったり...見開きのページいっぱいにいろんな種類の○○が描いてあります。それらを 1 つづつ見ているだけでも楽しくなってきます。我が家の娘達も「わたしはこれがいい!」とワイワイ言いながらお気に入りのうちわや靴を指差しています。

そんな「だるまちゃんとてんぐちゃん」ですが,大人になって読んだら,全く別のところに「はっ」と思わされました。それは,てんぐちゃんのセリフです。てんぐちゃんはだるまちゃんに,とても優しい言葉をかけてあげていたのでした。

だるまちゃんは,てんぐちゃんが持っているてんぐのうちわや下駄が欲しくなって,おとうさんに同じようものが欲しいとねだります。そして,ちょっと違うんだけど,同じようなものを探して,同じような恰好になります。例えば下駄の代わりに「おもちゃのまな板」を履いちゃったりとか。面白いですね。子供の時はそこがいちばん面白かったのです。

でも,ここでてんぐちゃんの例のセリフがあります。だるまちゃんに「すてきな はきものだね」と言うのです。だるまちゃんは,とても嬉しくなります。

すばらしい言葉ですね。自分のまねをされて,しかもちょっと変なのに「すてきだね」って言える。わたしはすっかりてんぐちゃんが好きになりました。そして,じぶんはこんな言葉を人にかけてあげる...いや,自分の子供にかけてあげられているだろうか。そんな事を考えました。

多分私が,てんぐちゃんのことを覚えていなかったように,私の娘達もてんぐちゃんのセリフには気がついていないでしょう。でも,私がてんぐちゃんのように振る舞うことができます。そして,少しでもそんな「うれしくなる言葉」に触れ,娘達も誰かに自然に「うれしくなる言葉」をかけてあげるようになれば,私はうれしいな。そんなことを思いました。