2008年7月24日木曜日

祖母の家で読む古い本

今,長女はイソップ物語にハマっています.正確に言うと,私の実家にある「イソップどうわ」という本にハマっています.それは「のろまなローラー」の小出正吾さんが書かれた小学生低学年向けの本で,学研から出ている「愛蔵版‥世界の童話1 イソップどうわ」というものです.1970 年が初版ですから,もう 40 年近く前の本です.そんな本を毎日私達のところに,「これ読んで」と持ってきます.

でも実は,読み聞かせているうちに私もこの本が好きになっていました.その本にはイソップのお話によくあるお話の意味の解説がほとんど(全く?)ありません.その頃の時代のせいなのか,今が過保護なのか.

ツルに意地悪をしたキツネが仕返しされても,つぼに入ったご馳走をキツネは食べられませんでした...でおしまい.「意地悪していたらこんな事になるんだね」なんて解説はありません.おまけに低学年向けなので話も短く,とてもあっさりしています.

すると読後に「これは何を言おうとしているお話なんだろう」と,自然と考えさせられます.長女も彼女なりに考えている様子です.黙っているのも変なので,『意地悪ばかりしていると...』などと私なりに解説を入れています.

でも本の面白さってこういうものなのかもしれませんね.自分で解釈するもので,解説なんて余計なのかもしれません.


ところで,私は親戚の家にある昔の絵本や童話を読むのが好きでした.本の見た目だけでなく,表現も少し古く,あきらかに「今」とは違います.扉を開けて古い世界を覗き込んだような,親戚のお兄ちゃん・お姉ちゃんの子供の頃を覗き込んだような......そんな雰囲気が好きでした.

そんなことありませんでしたか?

2008年7月21日月曜日

国際児童文学館を存続させて欲しいです

今日は大阪府吹田市の万博記念公園内にある府立国際児童文学館に行ってきました.

この施設は児童書を専門とする国内最大規模の蔵書を誇る資料館・研究施設です.恥ずかしながら大阪生まれの私ですが,その存在を知りませんでした.しかし,大阪府の財政難のため,中央図書館への統合の方針が橋本大阪府知事から打ち出されています.

なくなる前に是非行っておきたかったので,家族で連れ立ったのでした.

チビ連れでしたので,1 階のこども室にしか行きませんでしたが,絵本から中学生向けの物語までたくさんの本が開架されていてわくわくしました.

たくさんの児童書に囲まれながら子供に読み聞かせをしたり,懐かしい絵本のページを繰ったりするのはいいですね.そこにある雰囲気と言いましょうか,本に迎えられ,本の世界に浸り,心が洗われるような,そんな感覚があります.それが,万博公園の緑の中にあるためか,児童書ばかりが置いてあるためかはわかりませんが,私はこの図書施設の雰囲気が好きになりました.

本に読み疲れたら,軽食ができるコロナというレストランがあります.妻が小腹が空いたと言い,ゴマだれの冷麺を注文したのですが,ひじょうに美味しかったです.長女に随分とぶんどられていました(笑

お腹がいっぱいになったら,館の前にある自然文化園のなかの遊具で遊んだり,池でボートに乗ったりと遊ぶ事も出来ます.本を読み,お腹を満たし (笑),緑の中で思いっきり遊んで帰ってきました.こんな環境がなくなってしまうかと思うと,かなり残念です.なんとか残せないものなんでしょうか.

子供を持つようになり絵本を読み聞かせるようになりましたが,児童書への専門的な知識を持った方の重要性を知るようにもなりました.そういった方々の薦めて下さる本は私達が手には取らないと思われる本もあります.でも確かに読むと面白く,子供も喜んでくれます.また,特定の企業の商品やキャラクターに偏っていないことも必要です.子供に受けそうなキャラクターは出てきませんが,何かに偏っている事もなく,いろいろな作品に触れられる事も子供の頃は重要だと思うからです.

中立の立場に立った,児童文学館のような公共施設はぜひ存続させて頂きたいと思います.

2008年7月19日土曜日

法事に幼児を参加させてみました

夏休みのため大阪に帰っていますが,今日は実家で法事がありました.三回忌などの年忌の法要なのではなく,通常の命日の法要なので規模の小さなものです.

なかなか実家の法事も参加できないので,参加したい思いましたが,子供がいるので少しためらいました.我が家の娘はまだ 3 (今年 4) 歳と 2 歳. 騒いだらまずかろうと思います.

しかし,母は『子供なんやから,騒ぐのは仕方ないし,せっかくやから参加したらええ』と言います.ちょっと迷いましたが,来て下さるお上人とは,長くお世話になっているためお互いよく知っているので,「まあなんとかなるだろう」と思うのと,宗教行事に参加させるのも悪くないと思うのとがあって,子供と参加しました.

「今日は,お坊さんが来るよ」と娘に伝えると,まんが日本昔話でしか見たことのないお坊さんに会えるとばかりに,大はしゃぎになりました.

はたして,お上人がいらしてお経をあげられますと,長女は祖母の横にちょこんと座り,次女は妻のひざの上で,食い入るように見入っています.興味津々の様子.厳かな雰囲気のためか,騒ぐことなく静かにしていました.とは言え,お経が子守唄になってしまったのか,二人とも最後には眠ってしまいましたけれど.

長女が目を覚ました後に聞いてみると,「なんか,なむなむって言ってた.変なこと言ってたよ」って笑っていました.

終わってから思ったことですが,参加させてよかったと思いました.私は特定の宗教に対して信心深くはありませんが,小さな頃から宗教に向き合うのは悪くないと思っています.私は 1 年生のときに祖父が他界したので,その後,お寺へ法要に行ったり,面白半分にお経を覚えてみたりしましたが,そういった環境のなかで得たもの,自分で考えたこと,たくさんありました.そしてそれは今の自分の糧になっています.

彼女達が何を思ったかわかりませんが,「ひいお婆ちゃん,おはよう」と言いながら仏壇の扉を開けたり,おりんを鳴らしたりしている姿を見ながら,なにか自分自身の宗教観や考えを形成してもらえればなと思いました.

2008年7月18日金曜日

子供の記憶力ってすごい

子供の記憶力のすごさを感じました.

今日から家族で大阪の実家に帰っているのですが,長女がまた中耳炎を患いました.これで 2 度目です.1 度目も大阪に帰っていた今年の GW 中.今回も同じ耳鼻科に行きました.

とりかえっこそこの待合室にある子供コーナーでのお話.長女が「とりかえっこ」読んでと言いながら 1 冊の絵本を持ってきました.それはまさに「とりかえっこ」という絵本.妻は長女が字を読めるようになったんじゃないかと思ったそうです.もちろん,長女はまだ字が読めません.

なんと,長女は 2 ヶ月も前に読んだ絵本のタイトルを覚えていたのでした.

さすがに驚きです.まだ 3 歳の彼女にとって 2 ヶ月前はかなり過去のはず.とても印象に残った絵本だったんでしょうね.

2008年7月11日金曜日

突然の腹痛と40度近い熱にあわてました

昨日の夜の 9 時半頃でした.2 歳になったばかりの次女が突然に起き,「おなかが痛い!」と言い泣きわめきました.からだを触るとすごく熱い.体温を測ろうにも暴れてなかなか測らせてもらえません.計測途中ですが体温計は 39 度半ば.これは尋常ではないと思い,救急車を呼びました.

長女と私は家に残り,妻と次女は救急車で病院に運ばれました.2 人で布団に入りましたが,気になって落ち着きません.初めて救急車を近くで見て,しかも家族が深夜に運ばれるという事態に興奮している長女をなんとか寝かせると,妻から電話がありました.

「○○ちゃん,便秘だったんだって」

は? そうでしたか.......結局のところ,風邪をひいて胃腸の働きが悪くなり便秘になり,それでもいつものようにたらふく食べたので腹痛になってしまったようです.浣腸してもらい,深夜過ぎにすっきりした顔で帰ってきました.大事には至らずなによりですが,結果に脱力感を感じるところが,なんとも次女らしい.ドジばかりするけど憎めないタイプです.

しっかりものの長女 (今年 4 歳) は,母親がいなくなったので淋しそうでしたが,「朝になったらお母さん帰ってくるよ」という私の言葉を信じ,ぐずりもせず寝ました.偉かった.

慌てたのは,私と妻だけでした.

2008年7月10日木曜日

7月の配本 - 童話館ぶっくくらぶ(小さいくるみ・大きいいちごコース)

童話館ぶっくくらぶから 7 月の配本が到着しました.長女には「小さいくるみコース」から,次女には「大きいいちごコース」から1冊ずつ配本されます.さて,今月の配本は...
ちいさなねこ (こどものとも傑作集 (33))ちいさなねこは,今年他界された石井桃子さんの作品です.一度読んだだけで私はこの絵本が大好きになりました.主人公のちいさいねこの母親が「親はかくあるべき」姿を見せてくれます.一人でじっくり味わいたい作品です.

えきペディア - ベビーカーを押して初めての駅に行くときに便利そうです

えきペディアというサイトを知りました.全国 9 都市,地下鉄 40 路線,704 駅の案内図を見ることが出来るサイトです.身体に傷害のある方や子供連れの方に情報提供をすることを考えているため,エレベータやエスカレータ,トイレの設備状況などの情報を見ることが出来ます.

こういうサイトは助かりますね.ベビーカーを持って外出するときは,施設のエスカレータ・エレベータの設置状況がいつも気がかりでした.こういうサイトであらかじめ設備状況を知れるのはとても助かります.

2008年7月8日火曜日

校庭の芝生化

学校の校庭を芝生化しようとする動きがあるそうです.東京都大阪府も既に取り組んでいて,もう芝を植えている校庭もあるそうですね.子供が校庭で遊ぶようになること,ヒートアイランド現象の改善などに貢献すると期待されているようです.

芝といえば,私の子供の頃には「踏んではいけないもの」のイメージがありました.手入れの面倒さがあるで荒らさないということなんでしょうが,整った庭には踏み入らないもの(日本庭園のイメージでしょうか)の雰囲気がそこにありました.そういう妙な考え(?)は打ち消されているんでしょうかね.そんなことを少し思いました.

私は野山で暴れまわるのが大好きなので,土ぼこりの舞う校庭より草の生えている校庭の方が魅力的ですけれどね.

2008年7月6日日曜日

[絵本レビュー] みんなみーつけた

stars子供と一緒になって探すのが楽しい
みんなみーつけた (幼児絵本シリーズ)みんなみーつけた (幼児絵本シリーズ)
きしだ えりこ やまわき ゆりこ
福音館書店, 1999年08月
先日借りた絵本を返却しに図書館へ行きました.もちろん,絵本もいつもどおり読んできました.その中の 1 冊がこれ.

岸田衿子さんと山脇百合子さんのコンビによる作品,「みんなみーつけた」です.お二人による作品には他に「きょうの おべんとう なんだろな」と「どこでおひるねしようかな」があります.この 3 冊とも,おとこの子,ゾウさん,クマさん,ブタさん,ウサギさん,ネコさん,リスさん,コガネムシさんが登場し,続き物としても読めるようになっています.

さて,みんなみーつけたは,上述の動物達 (おとこの子も動物ですものね) によるかくれんぼのお話.おとこの子が次々に動物達を見つけていきます.楽しいのは,隠れている動物が少し見えていて,次のページでみつけられるという仕掛けになっているところです.当然子供もその仕掛けがすぐにわかり,一生懸命見つけようとします.そうやって一緒になって「どこだ? どこだ?」と言いながら探すのが楽しい絵本です.

このシリーズの中で私が好きなのが,コガネムシさん.本当に小さくて鉛筆の先ほどにしか描かれてありません.でもよーくみると足もハネも描いてあってムシとわかります.見つけたときには「あっ! いたっ!」と子供と一緒になってはしゃぎ,笑います.

そして,最後のページにはみんなが隠れていた場所の一覧があります.そこで「○○さん□□に隠れていたねー」と回想しながら,またページを戻って絵本の世界に戻ります.

短い作品ですが,たくさん楽しめる絵本です.

2008年7月3日木曜日

[絵本レビュー] なにをたべてきたの? (岸田 衿子)

stars子供と一緒にぱくぱくぱくっ
なにをたべてきたのなにをたべてきたの?
岸田 衿子
佼成出版社, 1978年01月
3歳の長女と1歳の次女ともに大好きなのがこの本です.

しろぶたくんが,りんご,レモン,メロン,ぶどうを食べて,どんどん大きくなり色も変わっていきます.でも最後に石鹸を食べてしまって,きれいな色になった体が,また真っ白になる....そんな不思議なお話.

長女も次女も,次に食べるものを言いたくて仕方がありません.私がページをめくろうとして,次のフレーズを読もうとしたらすぐに,「レモン!」とか「メロン!」とか叫び,しろぶたくんがくだものを食べているページになると,自分達も「ばくっ!ばくっ!」と食べるまね.

「あれれ,しろぶたくんの分も○○ちゃんが食べたかな?」

とか言ってお話を少し変えて楽しんだりしています.石鹸を食べて口や鼻から泡がブクブク出ちゃうところはいつも不思議そうに見ています.

大人にとっては,なんてことのない絵本ですが,子供は楽しいお話のようです.

2008年7月2日水曜日

「くまのがっこう」という絵本が人気らしい

「くまのがっこう」という絵本が東京中心に人気を広げているそうです.47 News に「セレブに人気、クマの絵本 教育的でおしゃれが決め手」という記事がありました.下に一部引用します.
12匹の子グマの日常を描いた絵本シリーズ「くまのがっこう」が、東京中心に人気を広げている。かわいいだけではなく、教育的な要素も持たせたキャラクターで、支持層は若い“セレブ”な母親や子ども。これまで全13冊が刊行された絵本は海外でも翻訳され、発行総数は100万部を超えた。
...(中略)...
主なターゲットに据えたのは都会に住み、4-6歳の子どもを持つ比較的裕福な若い母親。「子どもの教育に熱心で、オシャレにも敏感」という特性を意識した。(2008/07/02 15:56 【共同通信】 - セレブに人気、クマの絵本 教育的でおしゃれが決め手)
子供向けの商品を作るときは,財布を管理する親をターゲットにするのは常套手段です.が,子供向けの絵本なのに,ターゲットは母親で,キャラクターはかわいいが,教育的要素持たせているのが本当にそうだとすると,ちょっと残念です.

教育的要素があって,しかもかわいくて,母親にも嬉しいならわかりますが,この順番が逆であるとすると,実は出版社側にとって子供は一番優先順位が低いってことになりませんか? 「売る」ことを考えると,わからなくもないのですけれど.それが前面に出すぎているのもね...しましまのトラのキャラクターを持ち,しつこくダイレクトメールを送ってくる某社と同じ臭いがします.

マーケティング活動が透けて見えすぎているのが,あまりよくない分野もあると思うんですけれどね.
とは言え,絵本を実際に見ていないので,「まずは実物を見てから」ですね.

【参考】