2008年5月31日土曜日

おさるのジョージ

我が家の娘達(3歳と1歳)は,おさるのジョージが大好きです.妻が子供のころに大好きだったジョージがアニメで放映されることを知り,見るようになったのがきっかけです.

じてんしゃにのるひとまねこざる今では,家ではおさるのジョージごっこ(気に入ったお話をお芝居します)をし,図書館ではまっさきにおさるのジョージを読むようになりました.おさるのジョージはどこの家庭でも人気のようで,「おさるのジョージあるかな?」といって図書館で絵本を探している子供達も少なくありません.

探すときに注意しなきゃいけないのは,タイトルが「ひとまねこざる」になっている絵本もあることです.私の行っている図書館では見つけられていない子供達も多いようですね.先日は,私達が読み終えた本を「それ貸してくれる?」と言って本を持っていった男の子が,母親に向かって「こんなジョージの本もあった!」とうれしそうに見せていました.よかった.よかった.

ところで私がおさるのジョージを見ていて楽しいのは,ジョージそのものではなく,その周りの大人たちです.ジョージがいろんな失敗(なかにはとんでもない失敗もあるのですが,それはお話ということで)をしても,頭ごなしに怒ったりすることなく,ジョージの話を聞いてあげます.そしてきちんと注意し正しいことを教えてあげます.

おさるのジョージどうぶつえんへいくなぜなら,ジョージは決して”悪さ”をしようとしているわけじゃありません.いろんなことに興味があって知りたいと思うからこそ,いろんなことに挑戦します.でも失敗してしまうだけなのです.それを大人達は知っているんでしょう.だからこそ,ジョージを頭ごなしに攻めたりはしません.このお話のそういうところが大好きです.

育児にイライラするとき,おさるのジョージを読んでみるのもいいかもしれませんね.大人にもお勧めの絵本です.

2008年5月30日金曜日

子供らしさの対極に大人らしさがある訳じゃない

「あいつはまだ子供だ」という言葉があります.大人になっていない人を指して言われる事が多いですが,最近,この表現は適切でないと思うようになりました.

私の今の考えでは,子供らしさの対極に大人らしさがあるのではなく,子供らしさと大人らしさは両立するものです.
  • 一般に子供は,子供らしいが,大人らしくない人.
  • 一般に大人は,大人らしいが,子供らしくない人.
  • どうにも困ってしまうのは,大人らしくもなく,子供らしくもない人
じゃないかと思っています.「あいつは子供だ」というとき,実はその人は子供でも,大人でもないですよね.本当に子供であるならばそんなに困った事にはならないと思います.そして,理想は
  • 子供らしく,かつ,大人らしくある人
でしょう.子供は自由な発想や,不思議なものを不思議と思う素直さ,探究心,好奇心に溢れています.一方大人には,ネゴシエーションや人をモチベートするなど社会的な力があります.双方ともに持っておきたい力です.

私は子供と接する度に子供らしさを失いたくないと思いますし,年配の方と接する度に自分の至らなさを痛感します.どうしたら子供らしい輝きを保ったままに大人の風格を得る事が出来るだろうか.そんな事を日々考えています.

2008年5月25日日曜日

「100万回生きたねこ」に賛否両論あるようだ(2)---子供にしてみればありがた迷惑なテーマだ

随分前になりますが,「100万回生きたねこ」という絵本に賛否両論あるようだから,一度読んでみようとブログに書きました.娘と図書館に行った時にようやく読む機会を得たので,今日は私の感想を書こうと思います.

読んだ最初の感想は,「教訓じみた事を押し付けてくるタイプの本だ」なということでした.そして,良い事を言っているようだけれども,どこかすっきりとしないとも感じました.悶々としばらく考えていましたが,今の私の結論は次のようになりました.

「この本は子供の目線で書かれたものではなく,大人の目線で書かれたものです.しかも子供向けの絵本じゃありません.大人が子供に先輩として何かを教えようとしているのではなく,『人を愛するということは,こういうことで,私もそうなのよ.わかってね』という子供にしてみれば少しありがた迷惑な話を伝えようとしているものじゃないか」

なんでこんなに賛否両論なんだろうって思いながら読んだので,こんな感想になってしまったのかもしれませんが,先日書いた「パンやのくまさん」のようなやさしい気持ちにはなれない本だとは思います.

私は,書籍の内容の善し悪しを言うつもりはありません.ですが,これが子供向けに書かれているとしている事が議論を生んでしまったとは言えそうです.産婦人科や子育てサークルのような子供を産む・育てている女性が対象読者であるとすれば,議論になる事もなく,子供にも読ませたいなと思うのは個々の考えでしょう.ちなみに言わずもがなだと思いますが,テーマが愛だけに男性には受けないと思います.

ま,とにかく,じつは大人向けの絵本だからこそ,
これはひょっとすると大人のための絵本かもしれないが、真に大人のための絵本ならば、...(略)...
という出版社からの内容紹介があるのでしょう.ただし,私は大人向けの絵本は子供も楽しめるとは思いませんので,子供向けの絵本としてはオススメ出来ません.

次は,いろいろなレビューを見てみようと思います.

*) 誤字脱字を加筆修正 (2008.11.18)

2008年5月24日土曜日

[絵本レビュー] はたらきもののくまさん

せきたんやのくまさん家族で図書館に行ってきました.いつものように絵本コーナーでたくさんの本を読み,帰りにはお気に入りの絵本を借りて帰ってきます.借りたのは,「せきたんやのくまさん」,「うえきやのくまさん」,「ぼくじょうのくまさん」の 3 冊です.同じシリーズの本です.

パンやのくまさん我が家には童話館ぶっくくらぶから届いた「パンやのくまさん」があるので,長女はこのくまさんのことを知っています.そしてこのくまさんが大好きです.「おとうさん! くまさん見つけたよ!」といってまとめて持ってきて私達に見せ,「これ借りる!」と絵本を胸に抱いて即決していました.いつもは借りる本に悩む長女なんですけれど.

うえきやのくまさんこのシリーズのくまさんはとても働き者です.決まった仕事を持っていて,朝早くから仕事を始めます.夜は食事が終わると眠ります.お客さんに対応するくまさんはとても礼儀正しく,あいさつを忘れません.そしてお金をもらって,きちんと数えてポケットにしまいます.パンやのくまさんは寝る前にお金を数えて,貯金箱にしまいます.

ぼくじょうのくまさんこの本は数が出てくるので数の勉強も出来ますが,それよりも働くことと働く喜びを教えてくれるすばらしい本です.くまさんが働くよろこびを語ってくれる訳ではありませんが,くまさんが自分の仕事にやりがいとよろこびを持っているように感じるからです.どうしてでしょうね.

ひょっとしたら,絵本の中のくまさんが仕事を中心に生活していて,それでいて不満を口にせず,仕事に対して丁寧な態度を私達に見せてくれるからかもしれません.だから,「このくまさんは仕事に喜びを持っているんだろうな」って感じるんだろうなって思います.

私はこのくまさんが大好きです.

娘達はどうしてこのくまさんが好きなんでしょうね.今度聞いてみたいと思います.

2008年5月18日日曜日

子供たちは話を聞いてもらいたがっている

私は子供好きとか,子供と遊ぶのが上手いとか,そのようによく言われます.でも,子供と遊ぶと私も気疲れするので,本当はそうじゃないと思っています.とは言え,子供がいれば勝手に子供の方から集まってくるので,少なくとも子供から嫌われてはいないようです.

昨日は娘 2 人と公園に行きましたが,いつも一緒に遊んでくれているお友達(長女の1つ下の女の子)とそのお母さんに会いました.一緒に遊んでいるうちに,その子が私にいろいろ話しかけたり,手をつないできたり,寄り添ってきたりと随分なついてくれました.そういうのは他のお友達でもありますし,初対面の子供でもあります.また,長女の幼稚園を決めるときに説明会に行って,園庭の園児に集団で囲まれて保父さん状態になったこともあります.

実はそんな状態になるのは簡単で,単にその子供の話を聞いてあげるだけで構いません.と言っても子供は非常に第六感が働くので(自分の子供のころを思い出してください),いいかげんに話を聞いているとすぐに見破られてしまいます.ですから,こちらも真剣に聞きます.たとえ,アリが空を飛んでも,草が歌っても,話の筋がすっ飛んでいても笑ってはいけません.「すごいね.それはどうして?」と聞いてあげると感性豊かな面白い答えが聞けます.私はそういう子供の答えを聞き,真剣な子供の顔を見るのが大好きです.

そうやっているうちに,今度は「なぜなに」攻撃が始まります.これは私でも閉口してしまうのですが,面倒になったら「なんでなんだろうね?」と質問返しをすると会話が弾むので便利です.大人から「なんで?」と質問されなれていないと最初は戸惑いますが,考えを手伝ってあげているとそのうち,どんどん子供からアイデアが出てきて,答えを自分で持ってきてくれます.

結局私は子供と遊んでいるんじゃなくて,話を聞いてあげているだけです.もっと言うと,子供の感性豊かな答えを楽しんでいるだけです.

子供に自分の考えを話させてあげることは,その子の成長を考えるとき,とても大切なことだと思いますし,成長の肥やしになると思います.こんなに大切なことなのに,またたったこれだけのことなのに,子供の話を聞いてくれる大人は少ないようです.自分がどれだけ大人の世界で決めたことを知っているかを自慢したい大人はたくさんいるようですけれど.

もっと子供たちの話を聞いてあげて欲しいと思います.

2008年5月16日金曜日

5月の配本 - 童話館ぶっくくらぶ(小さいくるみ・小さいいちごコース)

ないているこ だあれ (にしまきかやこ あかちゃんの本)先週の金曜日,童話館ぶっくくらぶから 5 月の配本が到着しました.長女には「小さいくるみコース」から,次女には「小さいいちごコース」から1冊ずつ配本されます.さて,今月の配本は...

2008年5月13日火曜日

子供は3歳までに一生分の親孝行をする

タイトルどおり,「子供は3歳までに一生分の親孝行をする」そうです.長女の出産前後,そのようなことを妻から聞きました.
  • 無事,健康に生まれてきてくれて
  • たくさんの笑顔を与えてくれて
  • 愛らしい姿を見せてくれて
  • 「おかあさん,おとうさん」と言ってくれて
  • たくさん甘えてくれて
  • 3歳までに無事に育ってくれて
これ以上の親孝行はありません.一生分の親孝行をしてしまうそうです.そしてそれからは親が子供に恩を返してあげないといけないと聞きました.「3歳までに親孝行をする」というのは結構有名な話のようですね,インターネットに検索をかけるとたくさんのページがヒットしました.

その話を聞いたとき妙に納得感があり,私の頭の中には常にそれがありました.初めての子育てに苦労してイライラが溜まっても,こんな大変な状態はいつまで続くんだろうと思っても,「でも今,親孝行してもらっているな」と感じながら毎日を過ごしていました.そして,子供が3歳を過ぎたとき,自分は子供に何をしてあげられるだろうとも思っていました.

そして,長女は今年の秋で4歳になります.彼女は3歳半で反抗期の真っ只中.2,3ヶ月ほど前から私と妻のストレスも溜まりまくり,疲れ果て,このブログの更新もなくなりました.気がつくと子供に「叱る」よりも「怒る」状態になっていることもありました.

長女は成長し,幼稚園にも行くようになり,自分がしたい衝動と周りのみんなへの配慮の間でストレスを抱え,上手く伝えられないことをもどかしく思ったり,彼女なりの論理を作り上げたりしているところです.そこで叱ったり,諭したり,話し合ったりしながら彼女の成長を見守ってあげないといけません.今こそ私達が子供に親孝行の恩を返してあげないといけません.でもついつい感情に左右され怒ることもしばしばです.恩返しどころか親の責任すら全うできていません.

私は恩を子供に返すことが出来るでしょうか.「まだまだ親になれていないな」そんな反省をしている毎日です.

2008年5月10日土曜日

[絵本レビュー] ねないこだれだ

starsちょっとズルイ手ですが,効果はてきめんです
ねないこだれだ (いやだいやだの絵本 4)ねないこだれだ (いやだいやだの絵本 4)
せな けいこ
福音館書店, 1969年11月
3 歳の長女は反抗期の真っ最中です.寝る時間になっても「まだ遊ぶ」とか「もうちょっと本読む」とか言って寝ようとしないし,私が寝る仕度をどんどんしてしまうと,かんしゃくを起こしたりします.

そんな長女に効果てきめんだったのがこの本です.この本は,9 時になっても寝ずに遊んでいる子が,おばけにおばけの世界に連れて行かれちゃうお話.裏表紙には,夜の空をおばけに手を引かれてゆく子供が描かれてあります.めでたしめでたしで終わりません.

半年ほど前に童話館ぶっくくらぶで配本された次女の本ですが,まだ遊ぶと言った長女に読み聞かせました.その後,「お化けの時間になったから,もう寝ようか? ほらおばけの音が聞こえるよ」と言うと,「うん」とにっこりお返事.

「ほう,ちょっと気にしているな」と思いながら,一緒に布団に入りました.するとしばらくすると,か細い泣き声がしました.なんと長女が半泣きになって,涙を流しています.どうやらマンションの上の階の足音を,おばけの来た音と思い,怖くて泣いていたようです.ちょっとかわいそうなことをしてしまいましたが,次の日から比較的おとなしく寝るようになりました.

このようなズルイ手は好きではありませんが,このような絵本の威力を改めて感じたしだいです.